【№1305】
“東洋”が、社名に付く会社ですか。
確かにありますが、それが ・・・ ?
真面目に調べると、面白い特徴があったのじゃ。
“東洋”が社名に付く会社は、何社上場している?
管理人は昔から「社名の由来・意味」に興味を持っていて、新規上場してくる会社の社名由来・意味を調べては記事としてアップしています。
5年ほど前の日本経済新聞(電子版)に「関西には社名に”東洋”を冠する企業が多いように感じる」という記事を見つけ、”東洋”が社名に付く会社が、現在何社上場しているのかを調べてみました。ここで役立つのが、「The・会社四季報」ですね。f(^^;)
四季報の最新版(2022年2集 春号 : 3月18日発売)で調べてみると、35社が上場しています。なお、社名(商号)変更もあるので、旧社名に”東洋”が付く会社もカウントしました。
これといった特徴はありません。数値に違いはありますが、「上場社数の多い市場」と「”東洋”が社名に付く会社」は、同じ順です。f(^^;)
“東洋”が社名に付く会社の面白い特徴とは?
”東洋”が社名に付く会社で、代表的な東証プライム市場の会社と言えば、・・・。
社名 | 旧社名 | コード | 本社所在地 |
東洋水産 | ー | 2875 | 東京都 |
東レ | 東洋レーヨン | 3402 | 東京都 |
東ソー | 東洋曹達 | 4042 | 東京都 |
東洋紡 | ー | 3101 | 大阪市 |
TOYO TIRE | 東洋ゴム工業 | 5105 | 兵庫県 |
NTN | エヌ・ティ・エヌ東洋ベアリング | 6472 | 大阪市 |
マツダ | 東洋工業 | 7261 | 広島県 |
メニコン | 東洋コンタクトレンズ | 7780 | 名古屋市 |
代表的な会社は上記の通りですが、”東洋”が社名に付く会社【35社】の本社所在地を地域別に見ると!!
たいへん面白いことがわかります。上場企業の本社は東京都に集中しているので、必然的に”東洋”が社名に付く会社も東京都が多くなります。上記を見れば、両方とも50%以上が東京都です。
しかし、大阪・兵庫の全国比率(14%)に対し、”東洋”が社名に付く会社の大阪・兵庫(29%)は、けっこう多いですね。う~ん f(^^;) ?
“東洋”が社名に付く会社は、なぜ大阪・兵庫に多い?
「東洋」って言いますが、これは「西洋」の対概念であり、指し示す範囲はその文脈や使われる国や地域によって異なります。東洋はトルコから東のアジア全域を指す場合もあれば、イスラム社会である中東を除いた東南アジアから極東を漠然と指す場合もある。これらの概念は近東、中東、極東という言葉にも表れています。狭義では東アジアのみを指す場合もあります。
例えば、かつて大阪は、過去に日本を代表するような工業都市であり、産業革命を牽引したイギリスの工業都市になぞらえて、「東洋のマンチェスター」と呼ばれた時代がありました。この「東洋」は「西洋」の対(つい)です。
日本経済史に詳しい京都大学(大学院)の渡辺純子名誉教授によると、「第2次世界大戦以前は、関東より関西が東洋と貿易や物流などで強いつながりを持っていた」そうで、「東京よりも大阪がアジア進出の中心的存在だった」。「大阪で事業を興すにあたって、”東洋”という名称を採用したのは自然なことだろう」とのこと。この「東洋」は「アジア」を指します。
戦後の復興過程で経済の中心が関東に移り、社名に”東洋”が付く会社は関東で増えたようですが、歴史的背景を見れば、「”東洋”が社名に付く会社が大阪・兵庫に多い理由」が理解できます。(^^)
管理人の独り言
前述の「関西には社名に”東洋”を冠する企業が多いように感じる」記事ですが、これを書いたのは日本経済新聞社の千葉大史さんという記者さん。5年前は「大阪経済部」所属でしたが、現在(2年前)は「国際部」にいらっしゃるようです。
この記事の最後に、たいへん面白いコメントがあります。
確かに、”東洋”が社名に付く会社は大阪・兵庫に多いのですが、どちらかと言えば「製造業」。変わり種として、関西初の警備会社の東洋テック(旧社名:東洋警備保障)があり、同社の設立は、1966年1月。同社の社名由来は、「競合がセコム(旧社名:日本警備保障)だったため、「日本を超える存在になりたいとの願いを込めて”東洋”と付けたのでは?」(同社広報)のネタを書かれています。※セコムの設立は、1962年7月。
この「東洋」は「日本」の対ですか? ・・・ あはは f(^^;) と、思わず笑ってしまいました。ブロガーである管理人も記事を書いているわけですが、千葉さんは本物の記者さん。見事なオチでした。(^^)
では、また(^^)/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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