【考察】若者を狙う投資詐欺 IPO投資は大丈夫?

【№1513】

<strong>冒険者</strong>
冒険者

IPO投資が投資詐欺に使われているのですか?

<strong>大賢者</strong>
大賢者

そうではないが、いろいろ調べていたら、
IPO投資にも変化がみられるのじゃ!!

はじめに

 先週の木曜日(8/25)の朝、なにげなくNHKを見ていたら、「そして娘は命を絶った ~“暗号資産”めぐる事件の果てに」という番組が放映されていました。
概要は、「社会人1年生(22歳)の女性が、消費者金融から150万円を借りてまで暗号資産の運用をうたう投資に手を出してしまい、自ら命を絶った」という痛ましい事件でした。
なお、投資詐欺を行ったメンバーは全国で650億円を集めたそうですが、その後逮捕され執行猶予付きの有罪判決を受けています。

 ふと思うことがあり、若者が被害にあう投資詐欺・トラブルの傾向とその背景を調べてみたら、若年層の投資への関心度・その傾向はIPO投資まで及んでいることがわかりました。f(^^;)

投資詐欺・トラブルの傾向

ー FXや暗号資産で、最近目立つもの -

★恋人などとの出会いを仲介する「出会い系アプリ」や、SNSで知り合った人から、「みんな投資をして、利益を得ている」などと言われて、投資サイトやアプリを紹介された。消費者金融からお金を借りて投資をしたところ、利益が出た。引き出そうとしたら、出金ができない。相手や事業者とも連絡がとれなくなった。

情報商材を数十万円で教材を買い、指示通り投資をしても損ばかり。その後、友達を誘えば報酬がもらえると言われた。つまり、いわゆる「マルチ商法」だった。

ー 傾向のまとめ -

・「きっかけは、SNSから」 若者はSNS(交流サイト)がお好き?
・「借り方を指南し、消費者金融からお金を借りさせる」 若者はお金がない?
・「情報商材を買わせる」 そのお金はどこから?
・とどのつまりは、「マルチ商法」!!

若者の投資への関心度合いは?

ー 投資への関心が高まった背景 -

・2018年「つみたてNISA」開始→ 投資のハードル少し低くなる!!
・2019年「老後2000万円問題」→ 投資への関心が高まる!!
・2020年「新型コロナの感染拡大」→ 家で過ごす時間が増え、投資の勉強をして始める人が増えた!!

ー 若年層の投資への関心度がわかるデータ -

 株式会社日経リサーチでは、生活者金融定点調査「金融RADAR」を実施しています。この調査は、生活者の金融に対する意識や世帯における金融行動の実態を総合的に把握するため、毎年定期的に実施されいます。
また、インターネットモニター調査とは異なり、郵送・留置により実施しているため、貯蓄や投資の実態や意識をよりリアルにとらえることができる点に特徴があります。

本調査では毎回、株式などリスク性金融商品の購入意向(長期的な資産運用を検討する際にハイリスクハイリターンの商品を組み入れたいか)を聴取しています。下記は、2017年から5年分の結果をグラフ化したものです。

ー リスク性金融商品の購入意向のスコア -

グラフスコアは、「そう思う」を4、「どちらかといえばそう思う」を3、「どちらかといえばそう思わない」を2、「そう思わない」を1として算出した平均値

日経平均株価の推移


ー グラフの解説 -

 スコアを年代別に見てみると、中年層(40-50代)は緩やかに上昇を続ける一方、若年層(20-30代)と高齢層(60歳以上)が大きく変化していることがわかります。

 高齢層を見ると、他の年代よりも2020年の下げ幅が大きくなっています。この下落は、日経平均株価の動きと関連していると推測できます。2020年にはコロナ禍の影響で日経平均株価が大幅に下落しており、金融リテラシーの高い高齢層が投資に慎重になったことがうかがえます。
注)当調査の金融リテラシーを量る設問で、高齢層は他の年代よりもリテラシーが高いという結果が出ています

 次に、若年層を見てみます。2018年には他の年代のスコアがやや下がっているものの、若年層だけ大きく上昇しています。同年1月に始まった「つみたてNISA」に関係している可能性があります。メリットを受けやすい若者の関心が高まったことが背景にありそうです。
また、若年層は2020年から2021年にかけてのスコアの伸び幅も大きくなっています。市況の良さに加え、「SNSでインフルエンサーが積み立て投資の効果について説明しているのを聞いて、投資を始めようと思った」など、SNSによる情報収集も後押ししたと考えられます。

若年層におけるIPO投資の変化

 日本証券金融株式会社は、証券市場の様々なニーズに応え、投資家や市場参加者の利便性の向上に資するためのビジネスを展開しています。この日証金が提供する個人投資家向けのオンライン型証券担保ローンサービス「コムストックローン」を紹介した記事から、若年層におけるIPO投資の変化を見てみます。

ー 「コムストックローン」(証券担保ローン)とは -

・日証金が提供する上場株式等を担保に借入ができる、いわゆる証券担保ローン。
・SBI証券、SMBC日興証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、野村證券と提携。
・上記証券会社の口座で保有する上場株式等を担保に借入れが可能。(上記証券会社に口座がない場合も日証金に口座を開設し担保株式等を移管して借入れが可能)

ー コロナショックにより若年層を中心に契約申込増加 -

・コロナ禍(2020年~2021年)での契約申込数はコロナ前(2019年)と比較して大きく増加。

・資産形成への関心の高まりを反映したほか、定期収入の減少を受けながらも株式資産の売却(取り崩し)を回避してローンで資金調達を行う動きによるものと考えられる。

・特に若年層(20~30代)の契約申込数の増加が顕著。

・若年層においては値下がりを「チャンス」と捉え、ローンも絡めて積極的な投資を行う姿勢がうかがえる。

ー お金を借りる目的は? -

・2021年の「取引を行う目的」についてのアンケート(複数回答可)では、コムストックローン契約申込者の60%超が投資資金として利用すると回答しています。
近年の契約後の借入申込動向を分析したところ、IPO申込の事前入金日における借入の利用のほか、上場日におけるIPO銘柄の担保差入が見られ、IPO投資用資金としての利用が目立つ

 IPOに申込するには取扱い証券会社にてIPO申込の意思表示を行い、抽選を受ける必要があります。証券会社毎に若干取扱いが異なりますが、原則として申込時や抽選日までに買付代金の事前入金が必要となります。
この買付代金を既存の保有株式を取り崩すことなく調達するため、また、IPO申込株数を増やし当選確率を高めるために、資金使途自由で機動的な利用が可能(即時融資および随時返済可能)なコムストックローンが活用されており、実際にIPO申込期間中には数十万円~数千万円の借入を行うお客様が多数見られます。・・・ とのこと。f(^^;)

ー なぜ、お金を借りてまでIPO投資を行うのか? -

コムストックローンを活用してIPO投資を行った場合の収益の簡易シミュレーションでは、こうなんです。

ある銘柄のIPO申込後に、IPO申込用資金として入金期日である抽選日に
コムストックローンで100万円調達した場合

(コムストックローンの金利は、借入金額に応じて年率2.675%~4.175%が
適用されますが、今回は年率4.175%で計算)

・当選した場合(抽選日から10日後の上場日に初値で売却後、受渡日に売却代金で返済した場合)
 売却益:1,000,000円 × 56.1%(2021年の平均騰落率) = 561,000円
 支払利息:1,000,000円 × 4.175%×13/365 = 1,486円(借入期間13日)
 収支:561,000円 – 1,486円 = +559,514円

・落選した場合(落選を確認後、翌日に返済した場合)
 
支払利息:1,000,000円 × 4.175% × 2/365 = 228円(借入期間2日)

以上のシュミレーションでは、「IPOに当選した場合はリターンが期待でき、落選してもコストは少額であり、コムストックローンを活用すれば効率的にIPO投資が出来る」ということになりますが ・・・ 。

これ本当なんですか?

管理人の独り言

 投資詐欺にあい自殺してしまった若き女性の事件から、投資詐欺・トラブルの傾向・若年層の投資への関心度。そして、若年層のIPO投資に見える傾向を記事にしてみました。

読者様は「IPO投資はローリスク投資なので、投資詐欺に使われることはない」と思われたのではないでしょうか。
しかし、「お金を借りてIPO投資を効率的に行う」と言っている会社もあるのです。投資詐欺の材料に使われたのではありませんが、あまり気分の良いものではありませんね。f(^^;)

IPO投資がいくらローリスクとはいえ、お金がないと投資に参加できません。前受金が不要な証券会社もありますが、当選したら購入資金が必要になります。
「貯蓄から投資へ」と言うけれど、若者はお金がない。「働いてもお金は貯まらず、投資もできない」のが現状なのかもしれません。
それでも、IPOブロガーとして言わせていただくと、「IPO投資は、お金を借りてまでする投資ではありません」。その理由は、コムストックローンのシュミレーションでご説明します。

コムストックローンのシュミレーションには、大きな穴が2つあります。
 1つ目は、平均騰落率を使っていること
2021年の平均騰落率を使っていますが、当選したIPOの初値がどうなるか、誰にも予想できません。
IPOの当選確率・抽選倍率は、楽天証券を除き公開されないので誰にももわかりません。しかし、利益が少ない(公募割れで損失がでる)IPOの倍率は低く(=当選し易い)、逆に、初値が高騰し儲かるIPOの倍率は、笑えるほど高い(=まず当選しない)ことは容易に想定されます。このため、平均騰落率でシュミレーションすることに無理があります。

 2つめは、確率論を完全に無視していること。倍率1倍ならば、100人が参加して当選者は1人・落選者は99人。お金を借りてもIPOで儲かる儲かる人は、ほんの一部。ほとんどの方は、売却益を得られずに支払利息を払うだけなのです。どこが効率的なのでしょうか。

コムストックローンのシュミレーションは、希望的観測!!
シュミレーション通りに儲かる方は、ほんの一握りです。


「ほのか」さんのご冥福をお祈りします


では、また(^^)/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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