【Q&A】平幹事ってどうしてこんなに多いの？

【№899】

冒険者

大賢者～!!　クエスト（IPO）毎に違いますが、魔王ってどうしてこんな多いのでしょうか？
メイン（主幹事）はわかりますが、サブ（平幹事）の多いこと!!　サブ魔王のアイテム数（抽選枠）なんてしれているので、挑戦（BB参加）してもほとんど勝てず意味がないですよ!!

大賢者

冒険者（IPO投資家）側から見れば、そうじゃろな。
だが、新規上場会社・証券会社側からすればいろいろと理由はあるのじゃ!!

IPOのシンジケート団とは？

　引受シンジケート団・引受シ団・シ団といろいろ呼び名はありますが、IPOの取引参加会社のことです。
ベテランの読者様には今更説明は不要ですが、IPO時におけるシ団とは、「有価証券の募集・売出しの際に販売力を強めることにより、売れ残りリスクを分散させることを目的として組成される引受団」のことを言います。

引受団の組成は、別に必須ではありません。
IPOの主幹事は、総合証券の大手・準大手、ネット証券ではSBI証券がまず引き受けます。これらの証券会社は、余程の規模のIPOでない限り基本的には単独で捌けるだけの販売力があるため、平幹事を増やすことは事実上売れ残りリスク分散の意味があるとは言えません。

冒頭で、冒険者（ひよこ）が言っていた通り、「平幹事が多い → 申込先が多い → 抽選機会が増える」のは事実ですが、「割当株数か減る→抽選枠も減る→当選確度も落ちる」ことになり、IPO投資家側からすれば、面白くはありませんね。… あらら f(^^;)

IPOでシ団の構成は変わりますが、平幹事は平均7社といったところでしょうか？　管理人は7社を基準として、平幹事の多い少ないを見ています。
平均8社（主幹事＋平均7社の平幹事）のシ団構成は、証券業界のお約束・暗黙の了解・慣習ではなく理由がありますが、後半でご説明します。

平幹事は儲かる？

　証券会社のIPO業務はわかりませんが、主幹事は上場準備手数料、上場成功報酬等があってかなりの収益になります。

平幹事もなんらかの手数料収入があるのでしょう？
IPO分析にために、管理人はIPOを引き受ける証券会社の決算説明資料をよく見ます。岩井コスモ証券の決算説明資料を例にすると、毎回必ずIPO取扱実績が出てきます。決算説明資料とは、投資家向けに決算内容や事業の状況等を説明するものです。つまり、IPOの取り扱いは事業として投資家にアピールできる内容であり、それなりの収益源であることがわかります。
岩井コスモ証券は主幹事にならないのですが、平幹事にはよく登場します。毎回割当株数（抽選枠）が少なく、管理人は一度も当選したことがありません。それ以前に申し込みも稀ですので、当選するわけないですね。… あはは f(^^;)

IPOの幹事を決定するのは、新規上場する会社です。主幹事会社が、平幹事を選んでいるわけではありません。上場が近づいてくると、おそらく証券会社は新規上場会社のCFO等に平幹事に加わるために、必死にアプローチをしていることでしょう。f(^^;)

　どのようなシ団構成にすれば新規上場会社にメリットがあるのでしょうか？
主幹事との付き合いは上場までではなく、上場後も長い付き合いになります。このため、主幹事がサービスレベルを落とさないように緊張感を持った関係性を構築するために、大手証券を1社～2社ほどシ団に入れた方が良い。
また、新規上場を広く知ってもらう、若者にも知ってもらうためにネット証券をシ団に入れた方が良い等が一般に言われます。

管理人の独り言

　IPO投資家からすれば平幹事は少ない方が良いのですが、平均7社程度はあってもしかたがないということです。個人的には5社程度にして欲しいのですが。… あらら f(^^;)

しかし、気になっていることがあります。シ団の構成が多きくなる = 平幹事が多くなると、新規上場会社の費用負担は増すのでしょうか？
“IPOあるある”ではないのですが、SBI証券が主幹事になるとお約束のようにシ団はかるく10社を超えます。悪戯のように多いシ団構成は、費用負担面で新規上場会社のデメリットに思えます。
もしかしたら、平幹事が多くなっても費用は変わらないのかもしれません。なぜなら、主幹事は公開株数（OA除く）の85%ほどを取ります。平幹事がどれだけいようとも残りの15%を分け合うだけなので、公開株数に応じて新規上場会社の費用が決まっているのかも？とも思います。

正直この辺はよく知らないので、IPO取扱時の主幹事・平幹事会社の収益等にお詳しい読者様がいらしたら、是非とも教えてくださいね。

では、また(^^)/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。