特徴
Nex Tone社の事業は、著作権等管理事業。著作権等管理事業といえば、 日本音楽著作権協会 (JASRAC)。そのあたりの背景を調べてみました。JASRACは 戦前より60数年もの長きにわたり、仲介業務法の庇護の下、音楽著作権管理事業を独占。 独占すると弊害が発生するのは、ここでも同じ。すったもんだの挙句、2000年11月29日に【著作権等管理事業法】が公布され、2001年10月1日に施行。これに伴い【仲介業務法】は同日に廃止されました。著作権等管理事業法の成立により、著作権管理事業は自由競争の時代に突入したわけです。※すったもんだの経緯は省略しました(^^;)
しかし、JACSRACとNexToneの運営には違いがあり、前者は”信託管理”、後者は”委任管理”。
細かく言うと、委任管理にも”取次”と”代理”があり、NexToneは代理・・・う~んよくわからん(^^;)
決定的な違いは、信託管理は、音楽の作詞家・作曲家などの著作権はJASRACに全て譲渡されることになり、JASRACが著作権者。著作権者なので、使用料を支払わない者への督促や無断使用を行っている者への差止請求、訴訟提起などを直接行うことが可能。NexToneの委任管理は著作権等管理事業者は著作権者ではないため、できないということのようです。
ここから面白くなりま~す! (^^)
さて、JASRACは”一般社団法人”です。一般社団法人とは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」という法律を根拠に設立される非営利法人をいいます。
一般社団法人は、必ずしも 「公益的」な事業を行う必要はありません 。一般社団法人が行う事業の内容に制限はなく、株式会社や合同会社などの営利法人と同様に、基本的にはどのような事業でも自由に行うことができます。非営利という言葉は、「ボランティア」や「公益事業」といったイメージですが、実は違います。「非営利=営利を目的としない」ではないのです。
非営利とは、「余剰利益を分配しないこと」なのです。 株式会社は、会社が利益が出れば株主に余剰利益を配当することができますから「営利法人」です。非営利法人である一般社団法人は余剰利益の分配は禁止です。ということは、余剰利益の分配をしてはいけないだけなので、利益を上げること自体は可能。もし余剰利益が出た場合でも、分配するのではなく、次の事業年度に繰り越して事業のために使ってもよし。法人の役員や従業員に役員報酬、給与を支給することも可能。
つまり、一般社団法人は、非営利性(余剰利益を分配しない)さえ担保しておけば、「収益」を上げることのみを目的にすることも、法人内部の「共益」だけを目的 にすることも可能なんですね。
音楽著作権管理事業を長きにわたり独占してきたこの一般社団法人JASRAC。
なんか、やりたい放題のような・・・ムムム(^^;)
音楽の著作権管理事業者として、上場する民間会社は今回のNex Tone社が初めとなります。是非ともがんばっていただきたいものです。(^^)
Nex Tone社の説明のはずが、一般社団法人のJASRACになってしまいました。でも、これはこれで面白かったでしょ! 調べながら記事を書いているProf.新城自身、へ~!こんなふうになっているんだ~!・・・とけっこう楽しめました。ブロガー自身、勉強になります。・・・アハハ(^^;)
問題があるとすれば、記事書き上げるのに、かなり時間がかかるという点。上場承認された会社がまだ8社も残っているというのに~! 遅筆ブロガーの悩みですね。・・・ムムム(^^;)
社名由来
2000年に著作権等管理事業法の成立を機に、2002年 株式会社イーライセンスと株式会社ジャパン・ライツ・クリアランスが音楽著作権管理事業へ参入。2016年に両社が合併・事業統合を行い、株式会社NexToneが誕生。「次代の音色 “Next Tone” を奏でる」「次代のオンリー・ワン “Next One” を目指す」という想いが社名に込められていることです。(^^)
新規上場会社概要
コード:社名 | 7049 株式会社Nex Tone(ネクストーン) |
英文社名 | NexTone Inc. |
会社URL | https://www.nex-tone.co.jp/ |
上場承認日 | 2020年2月25日(金) |
上場予定日 | 2020年3月30日(月) |
上場市場 | マザーズ |
設立 | 2000年9月29日(両社が合併しましたが、株式会社イーライセンスから株式会社NexToneに商号変更した形です) |
事業内容 | 著作権等管理事業、デジタルコンテンツディストリビューション事業、 キャスティング・コンサルティング事業等 |
業種 | サービス |
業績 | 売上・利益とも右肩上がり。当然、黒字上場! 期待できますね!(^^) |
発行済株式総数 | 2,704,000株(2020年2月25日現在) |
仮条件決定日 | 3月11日(水) |
BB期間 | 3月12日(木)~3月18日(水) |
公開価格決定日 | 3月19日(木) |
公募株数 | 375,000株 |
売出株数 | 550,700株(売出比率:59.5%) |
OA | 138,800株 |
売出放出元 | 株主上位の、エイベックス・ミュージック・パブリッシング㈱ 330,000 株、㈱フェイス 60,000 株、㈱アミューズ 60,000 株、㈱JRCホールディングス 51,500 株、三野 明洋氏 49,200 株 |
VC | VCなし |
ロックアップ | 株主上位9名までに180日のロックアップあり |
OR | 34.6% ※3年平均(2016-18) 27.5% |
想定価格 | 1,880円 |
吸収金額 | 約20.0億円(想定価格ベース) |
手取金の使途 | 子会社NexToneシステムズへの投融資 ①設備資金(システム開発費、本社オフィス拡張)、②運転資金(採用・教育費も含む人件費、広告宣伝費、本社オフィス拡張に伴う賃貸料)に充当する予定 |
取扱証券会社 | 主幹事:SMBC日興 平幹事:岡三、東海東京、SBI、マネックス 委託幹事:岡三オンライン |
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