【分析】ジェイフロンティアの初値で考える”傾向と対策”

【№932】

<strong>冒険者</strong>
冒険者

大賢者~!!
昨日のジェイフロンティアの初値は酷すぎましたね。なぜこれほどの公募割れになったのでしょうか?

<strong>大賢者</strong>
大賢者

公募当選された方すべてが、損失(含み損)になってしまった。
管理人の初値予想(BB時)は、「初値の高騰はなくとも公募割れはないだろう」じゃったが、この時点でこれほどの公募割れを予見できた方はいないのではないだろうか?
公募当選された方、特にポイントで300株ゲットされた方の心中を察すると言葉がないが、損失リスクの低いIPOと言えども「投資は自己責任」ということになるなぁ。

今回の公募割れはどのレベル?

上場月 銘柄 公募 初値 下落額 下落「率
2021年8月 ジェイフロンティア 4,190 円 3,560 円 ▲650 円 ▲15.0%
2021年6月 デコルテ・ホールディングス 1,720 円 1,582 円 ▲138 円 ▲8.0 %
ドリームベッド 1,460 円 1,350 円 ▲110 円 ▲7.5 %
ペイロール 1,380 円 1,290 円 ▲90 円 ▲6.5 %
アルマード 880 円 861 円 ▲19 円 ▲2.2 %

 今年の公募割れは5社目ですが、今回のジェイフロンティアの下落率が異常なほど突出しています。
昨年のコロナショックで上場中止・公募割れが続出した2020年3月~4月を見てみましょう。
上場24社(23社+1社)・公募割れ18社(17社+1社)。なんと上場した75.0%が公募割れでした。
公募割れ18社の下落率は、▲2.1~▲25.3%でしたが、ジェイフロンティアより下落率が大きかった銘柄は上位5社で、以下の通りです。

上場月 銘柄 公募 初値 下落額 下落率
2020年3月 ニッソウ 3,750 円 2,800 円 ▲950 円 ▲25.3 %
ミアヘルサ 2,330 円 1,748 円 ▲582 円 ▲25.0 %
リバーホールディングス 960 円 720 円 ▲240 円 ▲25.0 %
ドラフト 1,580 円 1,221 円 ▲359 円 ▲22.7%
フォーラムエンジニアリング 1,310 円 1,030 円 ▲280 円 ▲21.4 %

 今回のジェイフロンティアの公募割れは、コロナショックに匹敵する状況だったと言えますかね?

傾向と対策

ー 公募割れの原因は? -

 正直言って、よくわかりません。結果から見れば、「ジェイフロンティア(公募価格)が値がさ株で、地合いも悪く買いが集まらなかった。」ことになるのでしょう。
しかし、これほどの公募割れになる要素があったのか、再度確認してみます。

【承認時】
・市場と規模は、マザーズ上場で公開株数(OA含まず)は、80万株。
 想定価格(4,120円)ベースで時価総額189.0 億円、吸収金額36.3億円の中型IPO。
・発行済総株式 3,837,000 株の内、ロックアップがない株式は、370,000 株。
 その他に行使可能なストックオプション(新株引受権)が、318,850 株。株主はトータル10名しかお
 らず、VCはいない。特に売り圧力があるとは思えません。
【BB時】
・仮条件は、想定価格(4,120円)を挟み 3,950円~4,190円。
・ブロガー評価は、B~C評価で公募割れリスクかなりありのDはなし。
・主幹事は、SBI証券の単独でマザーズ上場での公募割れは記憶にない。
【公募価格決定時】
・BB状況は、需要は公開株式数を十分に上回り、需要価格は仮条件上限(4,190円)に集中していた。

規模はちょっと大きめな中型と値がさ株以外これと言って公募割れするような要因はありません。

唯一懸念材料があるとしたら、19日の選結果発表(=公募価格決定)翌日(20日)に同日上場した“フューチャーリンクネットワーク”と”シイエヌス”の上場初日のストップ安とその後の株価くらいです。
とはいえ、この2社の初値そのものはまずまずで、問題視されたのは初値後です。

大幅な公募割れをした現実を見れば、この2社の状況を考慮する必要はあったかもしれません。ジェイフロンティアは購入期間中でしたので、購入キャンセルができたわけです。
ポイントでゲットされた方は、購入キャンセルはできないと思いますが ・・・ f(^^;)

管理人は、SBI証券で補欠当選300株の繰り上げに公募割れはないと申し込みました。バカ丸出しとはこのことで、お恥ずかしい限りです。
なお、繰り上げなかったのは運ではなく必然と考えます。繰上当選は、購入キャンセルがあって成り立ちます。もともと、キャンセルが出るようなIPOではありません。もし、運があるとしたら 41,000株も申し込んで補欠になったことかもしれません。これを運と言って良いかわかりませんが … あらら f(^^;)

ー 買いが集まらなかった? -

銘柄 公開株数(OA含まず) 出来高(初値) 比率
フューチャーリンクネットワーク 242,500 株 187,000 株 77.1 %
シイエヌエス 520,000 株 394,500 株 75.9%
ジェイフロンティア 800,000 株 361,900 株 45.2%

 初値売り比率 = 初値買い比率です。比率が50%以下があったのか記憶にありません。今回、いかに買いが集まらなかったかが、わかりますね。
初値が騰がるのは「公募価格で買いやすくするために安価にしているから」と言われますが、同時に初値で買いたいというセカンダリーが多いほど初値は高騰するわけです。”フューチャーリンクネットワーク”と”シイエヌス”の初値後のストップ安はセカンダリー投資家にかなりのインパクトがあったとしか思えません。

ー 傾向と対策 -

 BBに参加しれければよいのですが、それでは話になりません。基本的には「IPO投資もどこまで下落リスクを取れるかどうか?」と考えます。

傾向としては、IPOの初値は地合いの影響をかなり受ける傾向があり、過去の公募割れは同じ時期に集中しています。IPO自体の特徴としては、想定価格・公募価格が値がさだった点です。

対策としては、現在地合いが最悪であることを再認識しながら、株価(想定価格公募・仮条件・公募価格)とVC等の売り圧力、および規模に細心の注意を払うことでしょうか?
と言っても「投資は自己責任」。BBに参加するかどうかは、「IPO投資家の覚悟」ですね。f(^^;)

 9月上場の”モビルス”と”メディア総研”は、既に抽選結果が出ています。公募当選された方は、一抹の不安を抱えているかもしれませんね。
管理人は特に公募割れはないと思っています。モビルスの公募価格は安価ですし、メディア総研の公開株数は多くありません。初値はしょぼい結果になるかもしれません?
できる対策は多くありません。今後上場してくるIPOの初値、初値出来高、およびその後の株価に注意を払うのもその一つでしょうか。 

偶然 ・・・ ?

 8月12日 日本経済新聞に”新規上場値決め調査 公正取引委員会“の記事が掲載されました。複数のブロガーさんもこれについて記事をアップされたので、多くの読者様がお読みになられたことと思います。要は、「公募価格が安価すぎないか?」で、個人投資家の利益保護と新興企業の成長促進の均衡点を模索する動きが本格化するというものです。

新聞記事掲載日は12日。ジェイフロンティアの仮条件決定日は10日。BB開始は12日。公正取引委員会は、11日までに直近で上場した国内の約100社に調査票を送付したとのこと。
偶然とはいえ、なんか微妙な日付ですね。… ムムム f(^^;)
個人投資家の保護を強調するあまり公募価格を抑えているのではないか?」が指摘されていることのようですが、「ジェイフロンティアの公募価格を上場企業の意向で高くしたら、ほら公募割れして個人投資家が損失を被ったでしょ!!」をわざとしたのでは? 個人投資家の利益を損ねたようなSBI証券ですが、「公募当選しても逃げ手(購入キャンセル)はあった?」とはいえ ・・・。う~ん f(^^;)
管理人の邪推・妄想ですね。… あはは f(^^;)

IPOの目的は資金調達ですから、上場する企業側にとって公募価格が高い方が良いのは無論ですが、今回はWIN-WINにはなっていないですよー!! f(^^;)

最後にとっておきの分析を!!

 IPOブログは、IPOのアウトライン・BB・当落の結果というIPO投資家目線で構成されています。つまり、IPOを取り扱う証券会社についてはあまり触れられません。
最後に、今回のジェイフロンティアで、IPOを取り扱った証券会社がどれだけ儲けているのかを分析してみましょう。

証券会社 割当株数 比率 手取金
SBI証券 680,000 株 85.0 % 227,936,000 円
みずほ証券 32,000 株 4.0 % 10,726,400 円
野村證券 32,000 株 4.0 % 10,726,400 円
SMBC日興証券 24,000 株 3.0 % 8,044,800 円
東海東京証券 4,000 株 0.5 % 1,340,800 円
藍澤證券 4,000 株 0.5 % 1,340,800 円
岩井コスモ証券 4,000 株 0.5 % 1,340,800 円
東洋証券 4,000 株 0.5 % 1,340,800 円
松井証券 4,000 株 0.5 % 1,340,800 円
マネックス証券 4,000 株 0.5 % 1,340,800 円
水戸証券 4,000 株 0.5 % 1,340,800 円
楽天証券 4,000 株 0.5 % 1,340,800 円
OA 80,000 株   26,816,000 円
204,976,000 円

 手取金とは?
株式等の募集や売出しにおいて、引受証券会社が発行者または売出人から株式等を買い取る1株当たりの金額が引受価格です。
一般に、引受証券会社は引受価額で株式等を買い取り、引受価額とは異なる価額(発行価格・売出価格)で募集や売出しを行います。このとき、発行価格・売出価格と引受価額との差額は引受人の手取金となります。なお、引受価額は発行価額と同額になることもあります。

IPO株は、上場する会社・株主からの公募株式・売出株式をIPO引受証券会社(シンジケート団)が、引受価格で買って、IPO投資家に公募価格で売り出します。その差額(手取金)が、引受証券会社の利益(税引前)ということです。引受価格は公募価格の92%になることが多いのですが、公募価格の8%が引受証券会社の利ザヤですね。
今回の公募価格は 4,190円、引受価格は 3,854.8円。手取金は1株当たり 335.2円。
要は、IPOの初値がいくらになろうとも、引受証券会社は売り残さない限り儲かるカラクリということです。

上場を準備する会社は、主幹事との間でアドバイザリー契約を締結することが一般的で、主幹事は上場が達成されるよう様々な助言を行います。内容は、準備作業のスケジュール作成、工程管理、関係機関との調整等です。上記手取金以外に主幹事のSBI証券にはアドバイザリー契約料があるわけですが、額はよくわかりません。今回のジェイフロンティアで損失を被った方は、「このやろ~!! お前だけ儲けやがって!!」 ・・・ かもしれませんが、8%の利ザヤはともかく証券会社のお仕事ですから手数料を稼ぐことは正当です。

 なんとなく釈然としないのは、平幹事の多さです。
引受証券会社は厳密には、主幹事証券会社・主幹事証券会社の補佐的な役割のする副幹事・それ以外の平幹事に分類されます。副幹事は引受数量が主幹事証券会社の次に多い証券会社です。
上記を見ると、みずほ証券・野村證券が副幹事ということになります。

しかし、売れ残りリスクを分散するためにシンジケート団を組成すると言われますが、日興までで売り切ることは可能のように思えます。SBI証券が主幹事の場合は、いたずらにシンジケート団が大きいのですが、別に他の証券会社が主幹事になっても大きいと感じますね。

平幹事にいる岩井コスモ証券の決算説明資料を見ると、必ず年間のIPO取扱社数が実績に出てきます。がんばって利益を出している状況は読み取れますが、IPO投資家の立場からすれば何とも言えません。
談合ではありませんが、証券業界内の相互扶助ですかー!! ⇦ 心の声です。f(^^;)

もう一つトピックスを ・・・。
平幹事に”メディア総研”主幹事の東洋証券がいますね。ここだけの話ですが、管理人は東証証券のオンライン口座を持っていて口座凍結されていません。”メディア総研”ではネット経由でのBB参加が出来ないので、オンライン口座から店頭口座への切替の問い合わせをしたところ、(BB参加については口に出していないのに)管理人の氏名・口座番号を言う前から「メディア総研のBB参加ですか?」と聞いてくるではありませんか!! カチン!!と来てまたかけますと電話を切りましたが、「当社はIPO乞食を相手にしていません」と言われたようで悲しかったですね。(本音)… あらら f(^^;)

では、また(^^)/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

変異種(デルタ株)と言われても、目に見えません。
気を緩めることなく、ストレスを溜めずに
日々基本的な感染防止に努めましょう!!
貯めて良いのは「IPOチャレンジポイント
・・・あははf(^^;)

手洗いは有効ですね!!

2つのブログランキングに登録しています。
同じカテゴリー(IPO・新規公開株)ですが、
INとPVでは登録者が大きく違います。
・・・ムムムf(^^;)