【№1044】
公募価格の1.5倍でロックアップが解除されたら
VCは売却してくるのでしょうか?
微妙なので、ロックアップについてまとめてみたぞ!!
ロックアップとは?
IPO投資を行う際、チェックが必須といえば「ロックアップ」の状況。ロックアップが設けられる場合は、目論見書または有価証券届出書にロックアップ条項として開示されます。
ロックアップとは?
株式の新規公開(IPO)の際に、上場日から一定期間、創業者やベンチャーキャピタル等の大株主の株式の売却に制限を設ける自主規制のことでで、目的は公開直後の株価の下落を防ぐためです。
簡単にいえば、一定期間売却しないと確約することですね。f(^^;)
よくあるのが、「90日ロックアップ・180日ロックアップ」。たまに、「360日ロックアップ」。
ロックアップには「制度ロックアップ」と「任意ロックアップ」の2つがあり、整理すると以下のようになります。
種類 | 内容 | ロックアップ期間 |
制度ロックアップ | 取引所の規定に基づく | 180日 or 360日 |
任意ロックアップ | 主幹事証券会社が任意に設定 | 90日 or 180日 |
1.5倍ロックアップ解除とは?
任意ロックアップの場合は、「公募価格の1.5倍以上になったら株を売っても良い」の条件が付く場合があります。この条件は、「株価が公募価格の1.5倍になった瞬間にロックアップが解除」という意味ですね。読者の皆様はご存知の内容ですが … あらら f(^^;)
株主にVCがいて「1.5倍ロックアップ解除」の条件があると、公募価格 1,000円のIPOの場合は、株価が1,500円になった瞬間にロックアップが解除されます。
ロックアップが解除されたらどの株価で売却して良いのか? 1,500円以上で売却可能は誤りで、どの株価でも(1,500円未満でも)売却できるが正解です。
・初値が 2,000円の場合 ⇨ VCは初値から売却が可能になる。
・初値が 1,200円の場合 ⇨ 株価が1,500円になるまで、VCは売却することができない。・・・ みたいな!!
ちなみに、この1.5倍というのはデフォルトではありません。ほとんどのIPOがお約束のように毎回1.5倍ですが、直近では9月28日にマザーズへ上場した”ROBOT PAYMENT”は2.0倍でした。f(^^;)
1.5倍ロックアップ解除 VCは売却してくるか?
公募価格の1.5倍でロックアップが解除されたら、本当にVCは売却してくるのか?
今回、1.5倍ロックアップ解除の記事を書くにあたり、管理人が最も興味があった部分です。しかし、調べてもロックアップ解除後のVCの動向について解説したものを見つけることができません。
・・・ で、証券会社に聞いてみました。f(^^;)
ー 証券会社の回答 -
わりとよく売ってきます!!
VCを含め上場前の大株主は、証券会社の窓口ではなく専用部門で対応します。
事前に売り注文(売却株価を指示)をしてくるVCもあれば、当日電話で注文を
してくるVCも多いとのこと。
VCの1株当りの出資額は?
ロックアップが解除されても、どの株価で売却してくるかはわかりませんので、出資額つまり1株当たりの出資額(?円/株)と、公募価格および公募価格の1.5倍で比較してみます。
ー ”GRCS”(現在BB中)でシュミュレート -
“GRCS”のVCは6社。90日ロックアップがかかっていますが、1.5倍ロックアップ解除の条件付き。
1株当りの出資額は以下の通りです。
VC | 保有株数 | 出資額 | 1株当たり |
ニッセイ・キャピタル7号投資事業有限責任組合 | 190,000株 | 不明 | 不明 |
岩手新事業創造ファンド1号投資事業有限責任組合 | 66,000株 | 不明 | 不明 |
ひまわりG4号投資事業有限責任組合 | 36,000株 | 48,600千円 | 1,350円 |
イノベーション・エンジン産業創出投資事業有限責任組合 | 25,000株 | 50,000千円 | 2,000円 |
岩手新事業創造ファンド2号投資事業有限責任組合 | 15,000株 | 30,000千円 | 2,000円 |
三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合 | 15,000株 | 30,000千円 | 2,000円 |
※ニッセイ・キャピタル7号投資事業有限責任組合(190,000株)のうち、110,000株が売り出されます。
※岩手新事業創造ファンド1号投資事業有限責任組合(66,000株)はすべて売り出されるので、特にロックアップ対象にはなっていません。
”GRCS”の仮条件は、3,270円~3,600円。需要がありそうなので、公募価格は仮条件の上限(3,600円)で決定しそうです。公募価格の1.5倍は、5,400円。
この 3,600円・5,400円と1株当たりの出資額を比べると ・・・ あらら f(^^;)
仮に 5,400円でロックアップが解除された場合、直ちに売却してくるかどうかはわかりません。出資額に対するリターン(計画)もあるでしょう。また、VCは出資者に対して期限内でリターンを返さなければいませんし ・・・。
しかし、5,000円で売却しても出資額の2.5倍以上のリターンは得られます。このように考えると、ロックアップ解除されたら、VCが即売却してくることがあっても不思議でもありません。
株式は誰が売買したのかは、わかりません。1.5倍の株価になった後、急落したからといってVCが売ってきたかどうかを正確に調べる方法はありません。下落幅(その出来高)に相当する株式の保有者を考えた時、もしかしてVCからの売出があったのでは? ・・・ と、推測するだけです。… あらら f(^^;)
ということで、IPOのロックアップ条項には、今後も注意を払いましょう。特に、公募当選の初値売り or セカンダリー売りをするかでは、ロックアップ状況の確認は必須ですね。… あはは f(^^;)
管理人の独り言
最後に ・・・
素朴な疑問がありました。別に1.5倍はデフォルトでないのに、ほとんどが1.5倍解除。なぜ?
1.0倍解除 = 公募価格でVCが売却可能 ⇨ これでは初値の高騰はない ・・・ だろう?
2.0倍解除 = 公募当選組には嬉しいですね。初値が公募の2倍近くまで高騰する可能性が多くなりそうですが、逆にVCは2倍にならないと売却できない(リターンが得られない)。f(^^;)
1.5倍解除というのが、利害関係者にとって「落としどころ」ということなのかな?と、今回の記事を書いていて感じた次第です。… あはは f(^^;)
では、また(^^)/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
WITH コロナ!!になってしまいました。
気を緩めることなく、ストレスを溜めずに
日々基本的な感染防止に努めましょう!!
貯めて良いのは「IPOチャレンジポイント」
・・・あははf(^^;)
2つのブログランキングに登録しています。
同じカテゴリー(IPO・新規公開株)ですが、
INとPVでは登録者が大きく違います。
・・・ムムムf(^^;)