【考察】”キットアライブ” のOAが0株ってどういうこと? そして初値は?

【№1577】

<strong>冒険者</strong>
冒険者

OAが0株って、どうことなんでしょうか?

<strong>大賢者</strong>
大賢者

OAの設定がなかった過去のIPOを調べてみるか!!

はじめに

 9月28日に”キットアライブ”(5039)が、アンビシャス市場へ単独上場します。28日は、3社同日上場です。”キットアライブ”・”ファインズ”(5125)・”グラッドキューブ”(9561)の3社。
“キットアライブ” は、規模も小さく当選者も少なかったので気にされる方は少ないかもしれませんね。

 しかし、読者の皆様もお気づきのことと存じますが、”キットアライブ” にはオーバーアロットメント(OA)がありません。
IPOが上場承認されると、公開株数(公募+売出+OA)を確認します。公募が0株(新規に株式を発行しない)、売出が0株のIPOはよくありますが、OAが0株のIPOはまずありません。
OAがあっても、すべて実施されるわけではありませんが、最初からOA株の設定がないとは不思議です。今回は、この0株のOAを調べてみたいと思います。

オーバーアロットメントって?

 IPO愛好家である読者の皆様に、OAを説明するまでもないでしょう。ただ、IPO投資をする限り、OAはけっこう重要なポイントです。

 オーバーアロットメントとは、企業が公募・売出しを実施する際において、公募・売出しの数量を超える需要があった場合、主幹事証券会社が対象企業の大株主等から一時的に株券を借りて、公募・売出しと同一条件で追加的に投資家に販売することをいいます。

本来の公募・売出しの追加として行われるもので、本来の公募・売出しの数量に需要が満たない場合は行われることはありません。また、オーバーアロットメントが可能な数量は、本来の公募・売出し数量の15%が上限となっています。

なお、オーバーアロットメントで販売した株券を借入先に返却するに当たっての株券の調達方法には「グリーンシューオプション」と「シンジケートカバー取引」の2つの方法があります。

日本取引所グループ 用語集


 オーバーアロットメント(OA)とは、「追加販売」のこと。IPO投資家にとってOAとは、「株価の乱高下を防いでくれる」機能があります。

株価の急騰を抑える
 ”冷やし玉”とはよく言ったものです。確かに冷やします。管理人は、毎回「ひやしダマ」と読んでしましますが、証券用語では「冷やし玉は、ひやしギョク」ですね。
株価の急落を抑える
 急落しないように買いざさえするわけです。誠意買いなんて言われますが、誠意のない(買いざさえしない)証券会社もありますね。f(^^;)

つまり、OAが設定されていない “キットアライブ” には「株価の乱高下を防いでくれる」機能が働かないことになります。

“キットアライブ” は、公開価格が少ないので「株価の乱高下はない」ということなのでしょうか?

オーバーアロットメントがなかったIPOは?

 オーバーアロットメントの設定がないIPOは、まずお目にかかりません。というか、東証上場IPOにはないような気がします。
“キットアライブ” は、アンビシャス市場への上場です。これは、地方新興市場で起こることなのか?

アンビシャス市場

上場銘柄主幹事公募売出OA
2022/09キットアライブアイザワ50,000株263,000株0株
2019/06日本グランデアイザワ150,000株35,800株0株
2018/12FUJIジャパンアイザワ60,000株50,000株0株
2017/06エコモット岡三12,000株150,000株24,000株
2017/02フュージョン岡三120,000株40,000株0株
2015/05エコノス岡三100,000株60,000株24,000株

ネクスト市場(旧 セントレックス市場)

上場銘柄主幹事公募売出OA
2022/04ASNOVA東海東京177,000株45,000株33,300株
2020/03ニッソウ岡三60,000株15,000株11,200株
2019/12名南M&A東海東京180,000株220,000株66,000株
2015/12アートグリーンエイチ・エス200,000株0株30,000株

Qボード市場

上場銘柄主幹事公募売出OA
2021/11フロンティアエイチ・エス50,000株50,000株15,000株
2021/09Geolocation Technologyエイチ・エス100,000株0株15,000株
2019/09ピー・ビーシステムズエイチ・エス150,000株60,000株30,000株
2015/08エスケーホーム岡三150,000株0株22,500株


 地方新興市場へ単独上場したIPOは、公開株数が少ないものばかりです。しかし、公開株数が少ないからといって、OAが0株とは限りません。
OAがないIPOがあったのは、アンビシャス市場だけ、主幹事はアイザワ証券・岡三証券だけ。アンビシャス市場独特な規定でもあるのでしょうか?
アイザワ証券に聞いてみるのが一番ですが、質問しても回答は得られないでしょう。実は、つきあいのある大手総合証券会社に質問してみたのですが、「わかりません」の回答。
これ以上の分析はできないので、以上で終わり。しかし、OAの設定がないとは、いったいどういうことなのでしょうか? 本当に不思議です。

オーバーアロットメントがないIPOの初値は?

 「OAが設定されていない」。つまり、「株価の乱高下を防いでくれる」機能が働かない “キットアライブ” の初値はどうなるでしょうか?

ブログ「りーえるさんの株主優待生活ブログ」のブロガー:りーえるさんがこの “キットアライブ” にご当選されています。記事:【当選キターー!】キットアライブ(5039)のIPO抽選結果を発表!主幹事アイザワ証券から初当選デス!

OAが0株のIPOの初値

上場銘柄主幹事公募初値騰落率
2022/09キットアライブアイザワ1,410円?円?%
2019/06日本グランデアイザワ750円752円+0.3%
2018/12FUJIジャパンアイザワ740円907円+22.6%
2017/02フュージョン岡三1,140円2,872円+151.9%


 数少ないOAが0株のIPOですが、だんだんとパフォーマンスが低下しています。セカンダリー資金が分散してしまう同時上場、それも3社。そして、24ぶりの円買い介入です。

りーえるさんには当選お祝いのコメントを送らせていただいたのですが、初値はどうなるのか? う~ん f(^^;) はっきり言って、まったく読めません。

“キットアライブ” の社名は、クラウドのシステムを提供している会社として生き生きとした今を提供するという意味の『アライブ』、組み立てる材料という意味の『キット』をつなげて『キットアライブ』にしたとのことです。
生き生きとした今を提供するということから、「初値は、きっと上がる」にしておきます。f(^^;)


では、また(^^)/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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