【IPO】TOBされた雪国まいたけ 承認[再上場]

9/9追記(変更)
 上場先が、東証一部に決定しました。予想通りですが・・・あらら(^^;)

以降は、8/15の記事です。

 昨日(8/14)、雪国まいたけ社が新規上場承認されました。厳密には、新規上場ではなく、再上場です。東証二部に上場していたのですよー!!
雪国まいたけは、2015年にベインキャピタルに買収されました。いわゆるTOB(公開買い付け)なのですが、上場廃止の背景を調べると「こんなTOBだったのかー!!」う~ん(^^;)です。
まるで、「ハゲタカ」のようです!!
小説ハゲタカは、作家・真山仁による経済小説。2004年に刊行されたのちシリーズ化。既刊5作品およびスピンオフ2作品。バブル崩壊後の日本を舞台に、当時「ハゲタカファンド」と呼ばれた短期的な利益獲得のみを目的とした投資ファンドと、それを取り巻く人や金を描いています。
管理人は、小説ではなく2007年にNHK総合とBSハイビジョンで放映された「土曜ドラマ」を見たのですが、なかなかの作品でした。

「雪国まいたけ」ブランドは有名ですし、社名は「まいたけ」そのものですから、社名由来を書くのも・・・あらら(^^;)  今回の承認記事は、従来とは異なった形式で書いてみたいと思います。(^^)

どんなTOBだったのか!?

ベインキャピタルの儲けは!?
・2015年4月 ベインキャピタルによるTOBが成立。約88億円で、株式の100%を取得。
・2017年7月 ベインキャピタルは、全株式を保有する雪国まいたけの49%の株式をコメ卸最大手
       神明に譲渡すると発表。譲渡額は非公表ですが、ここで88億円の一部は回収済。

想定価格2,330円で計算すると、売出での回収金額は473.5億円。公募価格がこの価格になれば、なんと400億円以上を手にすることになります。なお、ロックアップ180日がかかっていますが、手元には2,650,800株(13%)が残っています。もの凄いですねー!! う~ん(^^;)
ベインは、どんなTOBをしかけたのでしょう!?

TOB概要

経営陣と取引銀行6行がファンドと水面下で進めた創業家を排除した買収劇

上記スキーム図を見ていただくとわかりますが、 創業者一族の株式は64%。TOBでベインキャピタルがそれ以外のすべての株を手に入れても36%です。
ところが、ベインキャピタルに雪国まいたけを買収させるため、銀行が担保権を行使
38億円の貸し付けをしていた第四銀行などが、担保権を行使。結果、50%超の株式取得に成功。
担保権とは「借金のカタ」のことで、担保権の行使で「株式を取り上げた」=「不良債権化した融資に対し担保権を行使して株の名義を創業家から銀行に変更」したということです。

取引銀行も非情ですね。いくら大平氏は返済が滞っていたとはいえ、金利に相当する金額の支払いはしていたようですが、それにも関わらず銀行の強引な担保権行使の目的は「経営再建」でした。
銀行側も、「もうあかん!!」と考えたのでしょう。(^^;)
2013年には、内部告発で過去の不適切な会計処理が発覚。金融商品取引法違反です。
2014年1月: 金融庁から有価証券報告書に虚偽記載をしたとして、2,250万円の課徴金を納付命令
2015年2月:第四銀行が担保権を行使ベインキャピタルがTOBを発表雪国まいたけ経営陣はベ
      インのTOBに賛同を決定事前にリハーサルを重ねたという周到な準備に、創業家は
      完全に虚をつかれました。まるでドラマのようです。(^^;)
2015年4月:TOB成立
2015年5月: 東京証券取引所が6月16日付での上場廃止を発表。

 雪国まいたけの創業者である大平喜信元社長の名誉のためにいうと、もの凄い方だったのです。大平氏は6畳一間で起業し、希少種だったマイタケの大量生産に成功した立志伝中の人物です。強烈なリーダーシップで事業を拡大していきます。
残念なのは、強引ともいえるワンマン経営は歪みも生じ、内部告発で過去の不適切な会計処理の発覚につながっていったわけです。
銀行に裏切られ、ベインキャピタルに買収された直後に大平氏は「 肝心なのは、彼らにキノコが栽培できるかどうか、そこなんだ」とのコメントを残されています。
キノコ栽培はわかりませんが、経営再建ファンドが会社を立て直す技術も凄いものです。再上場ですか!! 400億円以上の儲けを生む技術ですか!!・・・ムムム(^^;)

管理人の独り言

・再上場・市場は一部or二部・吸収金額473.5億円・売出はVCから100% う~ん(^^;) 印象悪し!!

初値上昇の期待は小さく、公募割れリスクありのIPOです!!
管理人は、大手予想会社の初値予想はあてにしませんが、さすがに今回は「仮条件・初値予想」を見てから最終判断することにします。
とはいえ、現時点の管理人の考えは、こうです。
公募割れリスクを考慮し、SMBC日興証券と楽天証券へは申し込まない
 楽天証券の抽選倍率は、気になりますが・・・(^^;)
ゼロポイントで終わっても良い。SBI証券は100株申込で1Pはゲットしたいのですが・・・(^^;)
公募価格の決定後に最終判断しても良い。⇦何をするかは察しがつきますね!! (^^;)

はっきり言って当選確度は「高」ですが、あまり儲かりそうもないIPO。無理する必要はナシ!!

想定価格2,330円は高いのか?安いのか? 昔の株価はいくら?

 上場廃止日前日の終値(2015年6月15日)は、244円。TOBは245円で発表され、当時210円前後だった株価は、一時287円のストップ高にまで急騰しました。

当時の売上高は、約280億円。2020年3月期は、約507億円。大きくなっています。
2019年には、タカラバイオから「キノコ事業を譲受」。三蔵農林を「子会社化」。これらにより、取扱商品は「まいたけ+しめじ+マッシュルーム」になりました。
しかし、ポイントは新型コロナウイルスなのです。
免疫力を上げることにおいて、日常生活では睡眠と同様に食が大切。これに、異論はありません。食生活が大切=何を食べる? どうやら、舞茸はインフルエンザウイルスの抑制効果について研究されているとのこと。➡舞茸はこの免疫機能の増強に有効な可能性がある?
実際に、「菌活」で免疫力アップ! なんじゃこりゃ!?ですが、スーパーではキノコが異例の品薄。
再上場しては、これ以上ないタイミングですね。・・・あらら(^^;)

上場にあわせ株主優待も発表されました。
100株6ヶ月以上保有(9月末及び3月末現在の株主名簿に同じ株主番号で連続2回以上記載)で、「3,000円相当の自社製品」とのこと。となると、上場後9月末までに100株を購入。あれ!? 9月末の株主名簿に記載されるのは、9月30日に購入してもOKでしたっけ? 何か違ったりして!?
しかし、現在の株主(トータル4名)は来年の3月15日までが180日のロックアップ期間。権利確定前に解除されます。・・・う~ん(^^;)

新規上場会社概要

社名 [コード] 株式会社雪国まいたけ [1375]
英文社名 YUKIGUNI MAITAKE CO.,LTD.
会社URL https://www.maitake.co.jp/
上場予定日 2020年9月17日 上場承認日 2020年8月14日
上場市場[業種] 東証一部 [水産・農林] 設立(実質) 1983年7月21日
事業内容 まいたけ、エリンギ、ぶなしめじ等の生産販売及びきのこの加工食品
の製造販売
業績(直近) 売上はまぁまぁ、利益は横ばいという感じです。
仮条件決定日 9月1日 BB期間 9月2日~9月8日
公開価格決定日 9月9日 購入申込期間 9月10日~9月15日
想定価格 2,330円    
発行済株式総数 39,850,000 株(承認時) 吸収金額(想定) 約473.5億円
発行済株式総数 39,850,000 株(上場時) 時価総額(想定) 約928.5億円
公募株数 ー 株 公開株数 1,110,900 株
売出株数 17,672,700 株
OA  2,650,800 株
売出株比率 87.0% OR 51.0%
売出放出元
VC:太文字
Bain Capital Snow Hong Kong Limited 17,672,700 株
VC(売出/保有)
 [株主上位10名]
Bain Capital Snow Hong Kong Limited 17,672,700 株
ロックアップ
 [株主上位10名]
180日 ロックアップ
Bain Capital Snow Hong Kong Limited
 
20,323,500 株(うち17,672,700 株は売出へ)
神明ホールディングス 19,526,500 株
足利 厳(同社代表取締役社長)60,700 株
小室 雅裕(同社従業員)15,200 株
手取金の使途 公募株式がないため、目論見書に記載なし
取扱証券会社 共同主幹事 : SMBC日興、大和証券
平幹事   : みずほ、SBI、楽天

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コロナに過敏になりすぎず、日々基本的な感染防止に努めましょう!!

手洗いは有効ですね!!

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