【考察】いちよし証券の抽選配分率は正しいのか!?

最近「いちよし証券」の記事が目につきますが、ポイントは以下のとおりです。

いちよし証券の抽選ルールが2020年5月1日に改定されました。また、初値の高騰が期待できるIPO(ジオコード)の主幹事は「いちよし証券」。
この改定により「いちよしダイレクト口座への抽選配分率が激減したため、ネット経由申込のIPO愛好家(ネット族)への抽選枠も激減。(最も当選確度が高い)主幹事になっても、まったく期待できない証券会社になってしまったというものです。
これでは、IPO愛好家(ネット族)から不満が出るのも当然ですね!! (^^;)

証券総合口座(店頭)・ネット口座(いちよしダイレクト)の抽選配分比率

部門 種類 ~2020年4月   2020年5月~
営業部支店 店頭口座 85% 94%
法人営業本部及び金融・公共法人本部 10% 5%
いちよしダイレクト ネット口座 10% 1%

論点はどこか!?

 日本証券業協会(JSDA)の自主規制「株券等の募集等の引受け等に係る顧客への配分に関する規則(PDF)」というものがあります。
ここに中に「新規公開に際して行う個人顧客への配分」という項目があり、個人顧客向けのIPO配分について記載されています。

原則として、当該協会員における個人顧客への配分予定数量の
10%以上について抽選により 配分先を決定するものとする。

これが、証券会社が最低10%は抽選配分に回していると言われる理由です。

論点は、いちよしダイレクトの配分率が10%未満となったのは、
自主規制に反しているのではないか!?」ということ。

管理人の見解を申し上げると、「いちよし証券は自主規制を遵守しています」。

配分率は最低10%の根拠

良い機会なので、きちんと確認してみましょう。

日本証券業協会の自主規制「株券等の募集等の引受け等に係る顧客への配分に関する規則」
1997年8月8日制定。(改定:2015年5月19日)

第 3 章 新規公開に際して行う個人顧客への配分

(新規公開の際の一部抽選)
第 3 条
 協会員は、新規公開(外国株信託受益証券においては、金融商品取引法施行令第2条の3第3号に 規定する受託有価証券となる外国株券を外国の金融商品市場(店頭市場を含む。以下同じ。)に上場していない発行者が発行する場合に限る。以下同じ。)に際して行う株券又は外国株信託受益証券の個人顧客への配分に当たっては、原則として、当該協会員における個人顧客への配分予定数量の10%以上について抽選により配分先を決定するものとする。
 ただし、次の各号に掲げる場合には抽選の割合を引き下げる又は抽選による配分を採用しない若
しくは中止することができるものとする。
1 ブックビルディングの需要が積み上がらない場合
2 個人顧客の配分の申込み数量が当該協会員における個人顧客への配分予定数量に満たない場合 3 抽選の申込み数量が当該協会員における抽選数量に満たない場合
4 抽選を行う数量が5単位に満たない場合
5 営業形態においてホールセール業務に特化している場合
6 その他合理的な理由がある場合

※ホールセール業務
 ホールセール業務とは、証券会社において、大企業や機関投資家などの顧客を対象とし大口取引
 の業務のことを言います。
 リテールは、個人投資家向けの株式や投信、債券などの販売業務です。

いちよし証券 抽選枠(実績)

いちよし証券の抽選枠が判明している6~8月度(ルール改定後)で確認してみましょう。
※5月度:IPOなし

いちよし証券 抽選枠実績(6~8月度)
(50単元未満は抽選なし)

銘柄略称 幹事 割当株数 配分
総本数
抽選 店頭配分
いちよし
ダイレクト
店頭口座
フィーチャ 5,800株 40本 0本 0本 40本
コマースワン 5,300株 48本 0本 0本 48本
エブレン 2,600株 24本 0本 0本 24本
Speee 1,900株 17本 0本 0本 17本
GMO-FG 8,900株 80本 1本
(1.25%)
8本
(1.0%)
71本
(88.75%)
モダリス 40,500株 232本 4本
(1.73%)
20本
(8.62%)
208本
(89.65%)
ティアンドエス 185,500株 1,511本  15本
(0.99%)
138本
(9.13%)
1,358本
(89.88%)
ニューラル 5,800株 43本 0本  0本 43本
インタファクトリ 19,300株 147本 2本
(1.36%) 
13本
(8.84%)
132本
(89.8%)

抽選ルールでは、配分総本数が50単元未満は抽選なし

管理人の独り言

 いちよし証券の「個人顧客への配分予定数量の10%以上について抽選」の部分は、上記「網掛け・赤太字」部分。いちよしダイレクト口座と店頭口座に分かれていますが、合計は10%以上
これが、管理人が「いちよし証券は自主規制を守っている」の根拠です。

とはいっても、多少グレイな気もしますが、自主規定には「原則として・・・」の但し書きがありますから、通用するのでしょう。 ・・・あらら f(^^;)

 別の視点で見ると、いちよし証券は中堅の総合証券会社です。IPOの主幹事および引受幹事は、証券事業のひとつです。
「ネット証券会社の手数料0円」ではありませんが、証券業界での生き残りは熾烈を極めています。いちよしダイレクトでIPOに当選された方の何割が、IPO以外の株式売買等でいちよし証券に手数料を落としているのでしょうか!? 店頭口座のお客様のほうが多くの手数料を支払っていると思っています。
あくまで管理人の想像ですが、自主規定は順守し「ネット口座(いちよしダイレクト)より店頭口座のお客様を優先した」ということではないでしょうか!? ・・・ありゃりゃ f(^^;)
それほど、証券会社は生き残っていくために必死ということです。5年後10年後は、合従連衡で消えている証券会社は少なくないと考えています。 ・・・ムムム(^^;) 

では、また(^^)/~~

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

コロナに過敏になりすぎず、日々基本的な感染防止に努めましょう!!

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