【№1023】
裁量配分とは、あの労せずにIPOをゲットできるあれでしょ。
裁量配分に悲劇なんてあるのですか?
裁量配分されたIPOが公募割れしたらどうするのだ!!
公募割れIPOの共通点
公募割れIPO
上場 | 銘柄(略称) | 公募 | 初値 | 初値売却益(100株) |
2020年12月 | ローランド | 3,100円 | 2,954円 | ▲14,600円(▲4.7%) |
2020年10月 | DmMiX | 2,700円 | 2,600円 | ▲10,000円(▲3.7%) |
2020年09月 | 雪国まいたけ | 2,200円 | 2,100円 | ▲10,000円(▲4.5%) |
上記は、昨年度後半の公募割れIPOです。
大変面白いことに、「公募割れ・東証一部上場・主幹事・全プレ」の共通点があります。興味深いのは、この共通4点があるのは、すべてSMBC日興証券なのです。… あらら f(^^;)
裁量配分の実態
裁量配分とは、お得意様優先配分のこと。預かり資産が多く、年間の取り引きが多い(証券会社にたくさんの手数料を支払ってくれる)お客様へIPOを優先的に配分するというものです。
証券会社から「IPOいりませんかー!!」と言ってくるのですから、IPO投資家としてこれほどありがたいものはありません。※店頭口座を持つ方が申し込んで裁量配分を受けることもあり。
しかし、裁量配分されたIPOも時には公募割れします。・・・ あらら f(^^;)
別に、公募割れIPOが東証一部上場、主幹事がSMBC日興証券だけではありませんが、上記IPOの裁量配分の実態を深掘りしてみましょう。
配分内訳(実態)【A表】
銘柄 | 配分総数 | 抽選配分 | ステージ配分 | 裁量配分 |
ローランド | 24,883本 | 2,488本(10.0%) 773本(3.0%) |
1,244本(5.0%) 0本(0.0%) |
21,151本(85.0%) 24,140本(97.0%) |
DmMiX | 34,349本 | 3,435本(10.0%) 2,123本(6.2%) |
1,718本(5.0%) 0本(0.0%) |
29,196本(85.0%) 32,226本(92.8%) |
雪国まいたけ | 57,196本 | 5,720本(10.0%) 1,617本(2.8%) |
2,860本(5.0%) 0本(0.0%) |
48,616本(85.0%) 55,579本(97.2%) |
※上段:本来予定された本数(推測) 下段:実際に配分された本数
裁量配分内訳(実態)【B表】
銘柄 | 配分先 | 1人当り | 配分① | 配分② | 配分③ | 配分④ | 配分⑤ |
ローランド | 6,070人 | 約400株 | 1,578人 | 4,488人 | 4人 | ー | ー |
DmMiX | 5,981人 | 約540株 | 1,104人 | 4,849人 | 26人 | 2人 | ー |
雪国まいたけ | 8,682人 | 約640株 | 2,084人 | 6,508人 | 78人 | 11人 | 1人 |
配分①:100株、配分②:200株~5,000株、配分③:5,100株~10,000株、
配分④:10,100株~50,000株、配分⑤:50,100株以上
データ参照元:日本証券業協会「新規公開に際して行う株券の個人顧客への配分状況」
裁量配分の悲劇
公募当選を狙うIPO投資家から見れば、何の苦労もなく配分を受けられる裁量配分は羨ましい限りですが、時としてIPOは公募割れします。
上記【A表】を見ると、公募割れリスクが高いと予想されたのでBB参加率が悪いことがわかります。完全平等抽選枠は最低10%あるはずなのに、抽選配分数(=当選者数)は、10%未満。これは、全プレになったということなのでしょう。
IPOを取り扱う証券会社は、上場する会社・株主から株式を引受価格で購入します。購入した株式はすべて投資家に売り切る方針と思います。(公募価格 ー 引受価格)× 引受株数 = 証券会社の利益 ですからね。
抽選の申し込みが悪い場合、差分「本来用意された抽選株数 ー 抽選申込株数(100株/人)」はどこに行ったかと言えば、すべて裁量配分に回っています。SMBC日興証券の証券マンは、売れ残らないように頑張ったのでしょう。
しかし結果論で言えば、裁量配分を受けた投資家は「公募割れするIPOを押し付けられた!!」、証券会社は店頭口座のお客様に「公募割れするIPOを押し込んだ!!、押し付けた!!」とこになります。
上記【B表】は、ある意味「公募割れするIPOを押し付けられたお客様の人数」です。※株式投資は自己責任なので、証券会社は押しつけたわけでもなく、お客様も押しつけられたわけではありません。
【B表】の”雪国まいたけ”では、裁量配分 50,100株(最低)を受けられた方が1名いらっしゃいます。初値は公募の▲100円でしたので、初値時の含み損は▲501万円(最低)だったことになります。
仮に公募割れをしても、ホールドしている間に株価が上がれば損失はなくなります。とはいえ、苦労せず得たIPOといえども、公募割れは気分の良いものではないはずです。f(^^;)
悲しいことに、特に”雪国まいたけ”は上場来高値は 2,170円と未だ公募価格まで戻っていません。
以上の通り、裁量配分にもリスクはありますので、一概に裁量配分を羨ましがる必要はないのかもしれません。
それより、裁量配分を受けて公募割れの悲劇となった方が、こんなにいるなんて!! … あらら f(^^;)ですね。
今回は視点を変えて、裁量配分を分析してみました。
では、また(^^)/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
WITH コロナ!!になってしまいました。
気を緩めることなく、ストレスを溜めずに
日々基本的な感染防止に努めましょう!!
貯めて良いのは「IPOチャレンジポイント」
・・・あははf(^^;)
2つのブログランキングに登録しています。
同じカテゴリー(IPO・新規公開株)ですが、
INとPVでは登録者が大きく違います。
・・・ムムムf(^^;)