【№1452】
仮条件の分析は、過去にありましたか?
今回が、初めてだったかもしれんな!!
今回の分析対象は、仮条件です!!
先週、2022年後半(7月~)第1号の”INTLOOP”が上場しましたが、公募割れ。2022年上場した38社の初値を分類すると、以下のようになります。
勝ち(初値>公募) | 負け(初値<公募) | 引分(初値=公募) | 計 |
26社(64.8%) | 12社(31.6%) | 0社(0.0%) | 38社 |
まだ後半が始まったばかりですが、勝率は64.8%。過去10年間(2012年~2021年)の勝率(平均)は、84.8%。過去10年間の最低は、新型コロナウイルスの感染が始まった2020年の74.2%です。2022年前半のIPOの勝率が、いかに最低最悪であるかがわかります。(>_<)
さて、ボロボロの2022年ですが、今回は仮条件にフォーカスしてみます。
仮条件の分布!!
BB開始の前日までに、ロードショーでの機関投資家の意見を考慮した仮条件の発表があります。仮条件はいろいろですが、管理人は仮条件を以下のように5分類しています。
仮条件の区分
ステータス | 区分 | 意味合い |
① | 仮条件下限>想定価格 | 超・強気 |
② | 仮条件下限=想定価格 | 強気 |
③ | 仮条件上限>想定価格>仮条件下限 | 微妙(やや強気 or やや弱気) |
④ | 仮条件上限=想定価格 | 弱気 |
⑤ | 仮条件上限<想定価格 | 超・弱気 |
今年と過去2年の仮条件の分布を、見てみましょう。なお、2022年は本日(7/13)仮条件の発表のあった”日本ビジネスシステムズ”までの42社を対象としています。
※仮条件発表後、上場中止となった”Repertoire Genesis”(9217)は、含まれていません。
仮条件の分布(2020年~2022年)
ステータス | 2022年 | 2021年 | 2020年 |
① | 0社(0.0%) | 15社(12.0%) | 20社(21.5%) |
② | 10社(23.8%) | 65社(52.0%) | 46社(49.5%) |
③ | 8社(19.0%) | 18社(14.4%) | 9社(9.7%) |
④ | 15社(35.7%) | 21社(16.8%) | 14社(15.1%) |
⑤ | 9社(21.4%) | 6社(4.8%) | 4社(4.3%) |
計 | 42社 | 125社(上場数) | 93社(上場数) |
仮条件を単純に、想定価格以上・以下で分けると ・・・ 。
ステータス | 2022年 | 2021年 | 2020年 |
想定価格以上(①+②) | 23.8% | 64.0% | 71.0% |
想定価格以下(④+⑤) | 57.1% | 21.6% | 19.4% |
仮条件は、ロードショーにおける機関投資家の意見を反映したものと言われます。どこまで、反映しているか不明な仮条件ですが、けっこうイケイケ(強気)の傾向があります。f(^^;)
しかし(2022年はまだ半分しか終わっていませんが)、今年の仮条件の分布は過去と真逆の状況です。特徴的なのが、ステータス①(仮条件下限>想定価格・超強気)が、1社もありません。どうして今年の仮条件は、このような状況なのでしょうか?
市況(IPOの上場環境)が悪すぎて、機関投資家からは厳しい意見が多いのかもしれません。個人的には、公開価格の過小値付け問題もあり、今年はよりシビアな仮条件になっている可能性もあると思っています。
公募分布と公募割れ対比
とにかく、2022年の仮条件は、パッとしない低調なものが圧倒的です。では、公募割れ(12社)を、仮条件の区分で集計すると ・・・ 。
仮条件(区分)と公募割れ数・率
ステータス | 区分 | 意味 | 公募割れ(率) |
① | 仮条件下限>想定価格 | 超・強気 | なし |
② | 仮条件下限=想定価格 | 強気 | 0社(0.0%) |
③ | 仮条件上限>想定価格>仮条件下限 | 微妙 | 3社(37.5%) |
④ | 仮条件上限=想定価格 | 弱気 | 6社(42.9%) |
⑤ | 仮条件上限<想定価格 | 超・弱気 | 3社(37.5%) |
あくまで、2022年公募割れ(実績)を仮条件から見た分析です。(過去5年等の)仮条件と公募割れの分析をしていないので、傾向は何とも言えません。
一般的には、「公開価格が仮条件のどこで決定した」の方が、初値予想の材料として重要視されますね。f(^^;)
しかし、実績からは「仮条件が想定価格より上だったら、セーフ? 仮条件(下限)が想定価格より下だったら、公募割れリスクが高まる」ように見えます。
仮条件が発表されている今後上場の4社は?
上場日 | 銘柄 | 想定価格 | 仮条件 | ステータス |
7/28 | HOUSEI | 420円 | 380円~400円 | ⑤ |
7/28 | unerry | 1,170円 | 1,170円~1,290円 | ② |
7/29 | エアークローゼット | 870円 | 700円~800円 | ⑤ |
8/2 | 日本ビジネスシステムズ | 1,420円 | 1,420円~1,520円 | ② |
公募割れの原因は、いろいろです。仮条件から公募割れを、予測することはできません。
しかし、今年の仮条件が例年以上に厳しく付けられているといたなら、仮条件も参考になるのではないでしょうか。さて、上記4社の初値は ・・・ ?
では、また(^^)/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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