【考察】パフォーマンスの激変!! このままIPO投資を続けて良いのか?

【№1487】

<strong>冒険者</strong>
冒険者

えー!! 「IPO投資は、ローリスク・ハイリターン」ではなかったのですか?

<strong>大賢者</strong>
大賢者

「データは、嘘はつかん」のじゃ!!

激変したIPOパフォーマンス!!

昨年、一昨年よりIPOに当選しない!! 当選しても儲からない!!

・・・ とお感じの読者様もいらっしゃると思います。IPOに当選しないのは毎度のことですが、昨年・今年は当選してもあまり儲かっていないのではないでしょうか?

大多数の方が、IPO投資で儲かっていません。これ、事実です!!

投資利益率(ROI:Return on Investment)でもないのですが、IPO投資における投資額に対するリターン(利益額)を、5年前(2017年)から集計しグラフ化すると次のようになります。


上記のROIは、以下のように計算しました。
・集計IPOは、東証一部・二部等のIPOの初値は伸びないので、新興市場(マザーズ・JASDAQ・グロース市場)に限定。※地方新興市場は除く
・投資額は、上場したIPOの公開価格の合計。利益額は、初値売りした場合の利益額の合計。
・2022年は、8/5に上場したクラシコムまでの32社の集計ですが、社数は関係ありません。なんたって、比率ですからね。f(^^;)

 さて、IPOのパフォーマンス(ROI)は、一昨年までは良かったのですが、昨年・今年は低迷しています。ROIが100%ということは、公開価格10万円のIPOの初値が20万円になったようなものです。「IPO投資は、ローリスク・ハイリターン」と言われますが、ROIが100%以上、つまり当選すれば、投資額以上のリターンがあるのですから、確かにハイリターンですね。

しかし ・・・

 読者様の中には、昨年・一昨年以上の成績を上げていらしゃる方もいらっしゃることでしょう。しかし、上記のROIは平均値のようなものですが、データは嘘はつきません。BBに参加されたIPO愛好家全体を見れば、昨年・一昨年より成績が悪化された(儲からなくなった)方は、大多数になります。
「IPO投資が、儲からない投資になった」のではなく、「期待するほど儲からなくなった」ということなので、誤解しないように ・・・ 。f(^^;)

どうしてこうなった?

もう少し深掘りしてみましょう。


 上記は、同期間を前半・後半に分けたものですが、面白い傾向が見えます。IPOのパフォーマンス(ROI)は、年間を通して一律ではありません。過去5年では、2017年以外は前半が良くて後半が悪い。またその逆です。特に、2019年の前半後半は、ともに悪い(100%未満)ですね。

しかし、最近はこの2019年より、パフォーマンスが低下しています。よく見ると、激変したのは、2021年の後半から!! つまり、ちょうど1年前からです。

パフォーマンス低下の原因は思い当たりませんが、思い浮かぶのは「公開価格の過小値付け」です。
この「公開価格の過小値付け問題」は、今年になって大々的にニュースになりましたが、ネットで検索すると、前衆議院議員 松平浩一氏が自身のブログで「IPO公開価格の過少値付け問題について」の記事をアップされています。内容は、「公開価格過少値付け問題に焦点を当て、今後採るべき対策について提言」です。

この記事の日付が、2021年8月6日!!

ちょうど1年前から、「公開価格の過小値付け問題」が出ていたのですね。この「公開価格の過小値付け問題」はまだ継続しており、年末には日本証券業協会から今後の対策(方向性)が発表されます。
IPOのパフォーマンス悪化は、「公開価格の過小値付け問題」が一因かもしれませんが、因果関係がどこまであるのか、管理人にはわかりません。ゼロではないと思いますが ・・・ 。f(^^;)

管理人の独り言

 「戦略」「戦術」という言葉があります。IPO投資の本質は「当選=利益」ですので、「戦術」とは、「個々のIPOでいかに当選確率を上げる手段・手法」になるのでしょう。具体的には、「主幹事への申込は必須」「多くの証券会社からの申込」「優遇抽選の活用」「家族で参加」等。また、損失を抑えるための「公募割れリスクの高いIPOの回避」ですかね。

「戦術」は「戦略」に含まれるため、戦略と戦術の区別が難しいのですが、視点の違いでしょうか。「戦術」は個々のIPO(局地戦)の戦い方。「戦略」とは、大局的に見たIPO投資での勝ち方。「IPO投資で利益を上げるための進むべき方向・進むための方法、およびその考え方」といったところでしょうか。

 IPO投資のパフォーマンスが低下していることは、事実です。IPOの当選確率は変わらず、落選が当たり前。たまに当選しても、大きな利益は見込めません。この状態がいつまで続くのかもわかりません。
IPOは8月の閑散期になりました。言わば、IPOの夏休みといったところでしょうか。IPO投資を戦略的に見直す、良い期間かもしれません。(^^)


ー このIPOのパフォーマンスが低下している今、何をするべきか? -

 IPO投資の見直しは必要ですが、新たな戦術などありません。戦略的(大局的に)に、いかに効果的・効率的なやり方(無駄なことをしない)で、IPO投資を継続していくべきでしょう。
とは言え、直近のIPOは、セカンダリー(初値買い)に参加した方が儲かったような ・・・ 。f(^^;)

検討した結果、「割に合わないから、戦略的撤退」もありでしょうが、ちょっとそれは短絡的すぎます。損失が出にくいIPO投資は、魅力的です。運任せのIPO投資ですが、効果的・効率的に継続しつつ、新たな投資を勉強する・見つける時期なのかもしれませんね。(^^)

 最後に ・・・ 。
当ブログは、IPOブログです。「当選したー!! 初値が高騰した―!! ワッショイ・ワッショイ!! そ~れ、それそれお祭りだー!!」も良いのですが、当ブログのコンセプトは、もともと「分析・解析による効果的・効率的なIPO手法の探求」。「ipo-quest(探求).com」なのです。f(^^;)


では、また(^^)/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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