同社は3月に上場予定でしたが、コロナ禍で上場中止/延期を発表。今回は、「再」承認で上場への再チャレンジとなります。
上場中止/延期したIPOは【18社】ありましたが、これで復活は【9社】になります。過去の中止/延期のIPOは「内部的な問題あり」でしたが、再承認組はコロナ禍での上場見合わせただけのようです。
しかし、同社の事業は、新型コロナウイルス直撃のフィットネスクラブ。落ち着いてきたところでの上場を検討していたのだと思いますが、第3波がやってきました。う~ん(^^;)ですね。
社名由来
社名は「Fast Fitness Japan」ですが、店舗名(ジム名)は「ANYTIME Fitness」。米国が本家のジムですが、本家の社名は「ANYTIME Fitness」。・・・???
野村不動産系のフィットネス事業会社を退職した元役員や中堅幹部が関わっており、彼らが集まりFast Fitness Japanを設立し、ANYTIME Fitnessとフランチャイズ契約を締結したというわけ。
社名の「Fast」は”速い・迅速な”ですので、「手軽にフィットネス」という意味(ファーストフードのFast)があるのかと想像したのですが・・・。
2010年10月オープンの日本第1号店(東京都調布市)は、チラシと店舗発信のみの地道な活動のみで開業1年目にして目標を大きく上回る800名超の会員を集めることに成功。10年後の2020年9月には、829店舗(直営店+FC)になっています。⇦これはスゴイ!!
「事業の成長・発展の速いフィットネスクラブを運営していく」といった想いを社名に込めたのかもしれませんね。 ・・・あらら f(^^;)
会社概要
同社の事業は「フィットネスクラブの運営」、それだけなのですが・・・。
フィットネスクラブの大手3社といえば、「コナミホールディング・セントラルスポーツ・ルネサンス」でしょうか!? この3社の特徴は「総合型(プール・スタジオもある)」です。
今年上場した「カーブスホールディングス」も同社も、「特化型」といわれています。
利用する顧客から見た主な特徴としては、
・24時間年中無休
夜間の無人化営業については、綜合警備保障株式会社(ALSOK)と包括契約を締結。すべての入館
情報がシステムによって管理されている。
・マシンジム特化型
マシンジムに特化したことで、スタジオプログラムやその利用者による喧騒を感じることなくマ
シンでのトレーニングに集中できる環境。
・低価格
夜間の無人化営業及びマシンジムへの特化により、人件費・設備費・維持費等を削減したこと
で、低価格でのサービス提供が可能。
経営サイドから見た特徴が面白い!!
・立地について
エニタイムフィットネスの店舗は、出店可能な選択肢が豊富なことを特徴。マシンジム特化型で
あるため、店舗に必要な床面積は70坪~150坪程度と比較的小規模であり、かつ、日本の不動産
事情に柔軟に対応し、オフィスビル、商業ビル、コンビニ上階等、さまざまな形態での出店が可
能ということです。
管理人の街にも(徒歩10分内)、同社のジム(ANYTIME Fitness)があります。
それも駅前のパチンコ店の上。なるほど・・・。(^^;)
Fast Fitness Japanは、どのようにして成長したのか!?
エニタイムフィットネスのジムのコンセプト(会員であれば365日24時間いつでも好きな時間や空き時間にトレーニングを行うことができること)は、当時の日本のフィットネス業界の常識では考えられないもので、アメリカなどでは成功しても日本での成功は難しいとの予想が多かった。
国内の会員の約8〜9割が20代〜40代の世代とされているが、大手総合型フィットネスクラブがこれまで定着させることができなかった層を獲得できたのがが大きな要因といわれています。
面白い話!! (^^)
米国のコンセプトは「フィットネスはマシン特化型を謳っており、プールやスタジオ、スパなどの設備はない。これは体のコンディションを最も効果的に管理調整するにはマシンジムでのトレーニングが最も安全で効果的という考え」なのですが、本家のジムのスタイルは、ちょっと違うのです。
日本のエニタイムフィットネスのジムは、「土足でそのままトレーニングが可能な店舗が多い」。「土足OK」という米国アメリカ発祥らしい一面がありますね。トレーニングシューズを用意せずともひと汗流せる点も、特徴のひとつでしょう。
決定的に違うのは・・・。
米国ではシャワーやトイレは男女兼用であるが、日本では男女別々に設計されていること。あちらのお国柄なのかもしれませんが、シャワー・トイレが男女兼用というのは、さすがに日本では無理でしょうね!! ・・・あらら f(^^;)
管理人の独り言
東証マザーズ上場の中型案件(想定時価総額201.8億円、吸収金額38.5億円)。
同社は3月の上場予定時は、
想定価格【2,470円】 仮条件【2,560円~2,960円】 公募【2,960円】でした。
今回の想定価格は【1,860円】です。プライスダウンしてきましたね!!
3月2日に上場した同じ特化型フィットネスのカーブスホールディングは、・・・う~ん(^^;)
日経平均は25,000円を超えましたが、フィットネス事業は、「ワクチンが完成するまでは上昇モードは難しいのではないか!?」と考えます。
初値予想というより公募割れ予想ですよね!! ・・・これは難しい!! ・・・ムムム(^^;)
上場予定日の12月16日は3社同時上場。
前日の15日も2社同時、翌日の17日は、なんと5社同時上場です。
IPOラッシュの12月に「再トライしなくてもよかったのでは・・・」と思いますよー!! (^^;)
とりあえず、仮条件の発表を待ちましょう。
着目点
さて、注目したいのは、コロナ禍の2020年4月1日~2020年9月30日の業績です。前年同期比の計算が難しいため、第2四半期(連結)での達成率としてみてください。
「会社がどのくらい儲かっているか」を測るものさしとなる「利益」の計算は「損益計算書」で行われています。その損益計算書で、最終的な利益を計算する過程においては、「売上総利益」「営業利益」「経常利益」という重要なチェックポイントとなる3つの異なる利益があります。
売上総利益
よく「粗利(あらり)」と呼ばれ る利益で、企業の「生産活動」という基本機能をチェックし
ます。売上総利益では、生産活動によってもたらされた利益がどのくらいかを把握します。
売上高は、モノ・サービスが売れた金額です。
営業利益
「本業での儲け」を指す利益です。企業の「販売活動」という基本機能をチェックします。
経常利益
企業の「財務活動」という基本機能をチェックする利益です。財務活動とは、ビジネスに必要な
お金を調達し運用することです。
経常利益を見ることで、財務活動を踏まえた企業全体の活動からの利益がどのくらい出ているか
を把握することができます。
【売上高】 前期(通年)の42.6%達成 前期実績【11,333,891千円】
当第2四半期連結累計期間において、エニタイムフィットネスのFC店が78店舗、直営店が16
店舗出店したものの、2020年4月及び5月において、新型コロナウイルス感染症拡大防止のた
め各都道府県からの休業要請を受け、臨時休業等の対応を行ったことなどにより、当第2四半期
連結累計期間の売上高は4,832百万円。
【売上総利益】 前期(通年)の35.3%達成 前期実績【5,255,721千円】
当第2四半期連結累計期間の売上総利益は、売上原価の減少はあったものの、売上高の減少に伴
い1,857百万円。
【営業利益】 前期(通年)の26.3%達成 前期実績【2,831,271千円】
当第2四半期連結累計期間の営業利益は、販売費及び一般管理費の減少はあったものの、売上総
利益の減少により746百万円となりました。営業利益率は売上高の減少に伴い悪化し、15.5%。
【経常利益】 前期(通年)の26.2%達成 前期実績【2,828,683千円】
当第2四半期連結累計期間の経常利益は、受取手数料の計上はあったものの、営業利益の減少や
支払利息や支払手数料の計上により740百万円。
同社にはたいへん失礼なのですが、新型コロナウイルスの直撃した事業が、ボロボロの業績(前期を100として達成率が悪い)であることが見て取れます。やはり、ワクチンが開発されるまでは、業績の回復は難しいでのではないでしょうか!? ・・・ありゃりゃ(^^;)
新規上場会社概要
社名 [コード] | 株式会社Fast Fitness Japan [7092] | ||
銘柄略称 | M-FFJ | ||
英文社名 | Fast Fitness Japan Incorporated | ||
会社URL | https://fastfitnessjapan.jp/ | ||
上場予定日 | 2020年12月16日 | 上場承認日 | 2020年11月11日 |
上場市場[業種] | マザーズ[サービス] | 設立 | 2010年5月21日 |
事業内容 | 24 時間型フィットネスクラブ “エニタイムフィットネス”の日本にお けるマスターフランチャイジーとしてフランチャイズシステムを運営 |
||
業績(直近) | 売上・利益とも右肩上がりですが、コロナ禍の2021年3月期は・・・ | ||
仮条件決定日 | 11月26日 | BB期間 | 11月30日~12月4日 |
公開価格決定日 | 12月7日 | 購入申込期間 | 12月8日~11日 |
想定価格 | 1,860円 | ||
発行済株式総数 | 9,250,000 株(承認時) | 吸収金額(承認時) | 約38.5億円 |
発行済株式総数 | 10,850,000 株(上場時) | 時価総額(承認時) | 約201.8億円 |
公募(新株発行) | 1,600,000 株 | 公開株数 | 2,070,000 株 |
公募(自己処分) | – 株 | ||
売出 | 200,000 株 | ||
OA | 270,000 株 | ||
売出株比率 | 9.7 % | OR | 19.1 % |
売出放出元 VC:太文字 |
土屋敦之 100,000 株 加藤薫 100,000 株 |
||
株主構成 ロックアップ [株主上位10名] |
90日ロックアップ 計:9,816,500 株 ⇦実質株数 株式会社オーク(役員等により総株主等の議決権の過半数が所有され ている会社) 4,877,500 株[47.43%] 大熊章(同社取締役会長) 1,647,500 株[16.02%] RM Japan, LLC 925,000 株[9.00%] 土屋敦之(同社代表取締役社長) 550,000 株[5.35%] 内、100,000 株は売出へ 特定有価証券信託受託者(大熊章太) 450,000 株 特定有価証券信託受託者(大熊絢子) 450,000 株 ※大熊章太・大熊絢子氏(同社取締役会長の二親等内の血族) 高嶋淳(同社取締役) 350,000 株[3.40%] 加藤薫 350,000 株[3.40%] 内、100,000 株は売出へ 稲垣稔(同社取締役) 250,000 株[2.43%] 森保平(同社代表取締役副会長) 166,500 株[1.62%] |
||
手取金の使途 | 連結子会社である株式会社AFJ Projectに対する投融資資金(直営店の出店にかかる設備資金)に充当する予定 | ||
取扱証券会社 | 主幹事 : 野村 平幹事 : SMBC日興、SBI、むさし、マネックス、岡三 |
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コロナに過敏になりすぎず、日々基本的な感染防止に努めましょう!!
第3波が来ています。
新型コロナウイルスでの死亡率は低下していますが、
感染しても無症状のケースも増加していると聞きます。
お勧めしてよいのかわかりませんが、
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注意事項
検査キットは、新型コロナウイルスの予防・自身の感染について
陽性・陰性を確約するものではありません。
検査キットなど不要かもしれません。
愛する家族・人のために、細心の注意を払いましょう。
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