【№1342】
原則に例外があるのは、おかしいのでは?
原則というのは、「例外を含んでいる」という意味じゃ!!
はじめに
”There is no rule but has exceptions.” (例外のないルールはない)と言われます。いかなる規範にも例外があり、原則には実は多くの例外があります。
証券各社には、それぞれのIPO抽選ルールがあります。抽選ルールとは、「募集等に係る株券等のお客様への配分に関する基本方針」に書かれている内容ですね。
この基本方針には「原則として ・・・」と、大抵書かれています。具体的にどんな例外があるのでしょうか? 例外ばかりだと、困りますね。f(^^;)
例外の事例
昨日に続き、岡三証券のIPO抽選ルールを見てみます。
当社は、過度な集中配分及び不公正な配分とならないよう、原則として全量抽選の方法により配分を行っております。
募集等に係る株券等のお客様への配分に関する基本方針
ここにも、しっかり「原則として」が出てきます。
「全量抽選の方法により配分を行っております」とは、「裁量配分はせず、全量(すべて)抽選配分する」ということです。抽選の内訳は、平等抽選(10%)・ステージ抽選(90%)。
また、「過度な集中配分及び不公正な配分とならないよう」とは、平等抽選での当選は1人100株。ステージ抽選では当選株数については明記していませんが、基本100株という意味でしょう。ここは、後で説明します。
昨年度(2022年度)の岡三証券で取り扱った(上場した)IPOは47社で、内4社で主幹事を務めています。そして、「原則として ・・・」と明記してある岡三証券にも、例外はあります。
上記は、日本証券業協会「新規公開に際して行う株券の個人顧客への配分状況」から、2022年12月に岡三証券が取り扱った14社の内7社を抜粋したものです。
全量抽選と言っておいて、”網屋”では裁量配分が実施されていた!!
※”網屋”だけ、「抽選に寄らない配分」があります。
例外パターン | 例外出現回数 | 例外出現率 |
裁量配分の実施 | 1回 | 2.1%(1/47) |
公平がゆえに不公平感がある?
昨年の47社をチェックしたところ、平等抽選は1人100株当選が100%。これは当然ですね。ところが、ステージ抽選でも91.5%が1人100株当選です。ここから、岡三証券は実に公平なIPO配分をしていると言えます。(^^)
しかし、ここまで公平だと手数料を落としている投資家にとって、逆に不公平に感じられるかもしれません。いくらステージ抽選で優遇されても、100%当選できるとは限りませんし、当選しても100株ではちょっと悲しすぎます。
“網屋”で裁量配分が実施された理由は不明ですが、ネットで以下の情報を見つけました。
本募集および売出しは、より精緻に需要を分析するために、「一般投資家」と「機関投資家」に分けて需要調査を行い、また、配分株数も「一般投資家」分と「機関投資家」分に分けた上で、「配分に関する基本方針」に基づく一定抽選およびステージ制抽選とともに各営業店における抽選によらない配分により決定いたしました。
新規上場株式の条件決定のご案内
この説明では、”網屋”が例外になる根拠がわかりませんが、配分株数の内訳は以下の通りです。
100株配分 | 200株~5,000株配分 | 5,100株~10,000株配分 |
2,261人 | 1,210人 | 5人 |
5,100株~10,000株配分された5人は、機関投資家なのでしょうか? なんにせよ、IPOの抽選ルールは、証券会社の利益に貢献してくれるお客様次第ということのようですね。f(^^;)
では、また(^^)/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2つのブログランキングに登録しています。
記事が面白かったら、応援の意味で下記の
「バナー」をクリックしてくださいね。(^^)