【№1352】
とんでもない分析ですね。
お金持ちが儲かるに決まってるでしょ!!
これだから分析は止められんな。
面白いことが分かるのじゃ!!
はじめに
読者の皆様もご存知の通り、SBI証券のIPO抽選は「申込口数比例方式」。つまり、申込株数がより多い方がより有利になる方式です。当然、申込株数分の現金が口座に必要ですので、いわゆる「お金持ち優遇抽選」。
ある意味、人を馬鹿にしたような抽選方式と言うか、資本主義の権現のような抽選方式です。f(^^;)
しかし、いくらあったらSBI証券で当選できるのか? 是非とも知りたいですね。BB参加者の詳細データがあったら、申込株数別(口座残高別)の当選確率を計算することができますが、現実にはできない話です。
そこで、タイトルそのまんまで、「大富豪がSBI証券でIPO投資をしたら、どれだけ儲かるのか?」のシュミレーションをしてみました。f(^^;)
シュミレーション条件
何もないと、ぐちゃぐちゃな結果になるので、シュミレーションに条件を設定します。f(^^;)
・大富豪: 申込上限の株数で申し込めるほどの現金資産のあるお金持ちとする
・対象期間: 2017年~2021年(5年間)
・対象IPO: SBI証券が単独主幹事のIPO
・申込株数: 毎回、申込上限とする(申込上限の残高が口座にある)
・当選IPOと株数: SBI証券が単独主幹事のIPOにすべて当選し、MAXの当選配分があるとする
※共同主幹事・平幹事は抽選枠も少ないので、分析では対象外にしました f(^^;)
・売却益: 当選IPOはキャンセルせずすべて購入し、初値で売却とする
分析
2017年~2021年のSBI証券が単独主幹事のIPOは、トータル46社でした。いろいろと分析してみると、これがけっこう面白いのです。(^^)
ー 大富豪はいくら儲かったのか? -
当選したIPOをすべて初値で売却した場合、5年間で税引き後利益は、約1,720万円です。※売却時手数料は考慮していません。この単位だと、手数料はゴミのようなものです。
平均約340万円ですが、読者様はどのようにお感じになられますか? 損失リスクがほとんどないIPO投資、それもSBI証券1社の申込で、年間約340万円ですか ・・・。う~ん f(^^;)
ここからが、最高に面白い!!
さて、年間約340万円を稼ぐのに、いくらの資金(現金)が必要だったのでしょうか?
必要資金(現金)の平均は、約12.1億円
SBI証券の申込上限株数とは、SBI証券の割当株数ではなく、公募株数(OA除く)です。結果、申込上限で必要な資金は、「仮条件の上限 × 公募株数(OA除く)」となります。
SBI証券が主幹事になるIPOは、比較的に小~中規模が多いとお考えの読者様は多いと思います。それは、正解です。SBI証券の単独主幹事は、5年間で46社。この内、公募株数(OA除く)が、100万株以上のIPOは、8社(17.4%)しかありません。
それなのに、なぜこんな額になるかと言うと、たった8社(17.4%)しかない100万株以上のIPOの申込資金平均は31.4億円もあるからです。f(^^;)
ここで、ROI(Return On Investment)を計算してみます。※ROIとは、投資収益率・投資利益率のこと。
オレンジ:平均値(5年間)
管理人の独り言
ー 分析・解析結果 -
大富豪がSBI証券でIPO投資をすれば、かなりの確度で儲けられます。あくまで、SBI証券単独主幹事のIPOにすべてMAX配分で当選したというシュミレーションですが、直近5年間で平均利益(税引前)は約340万円。
しかし、そのための申込資金(現金)は、約12.1億円(平均)も必要です。ROI(平均)は、0.007%。言い換えれば、1万円で7円しか稼げないということです。
ー 結果から見えること -
SBI証券のIPO抽選ルール(資金枠抽選)は、資金が多ければ当選確度は上がります。その結果、お金持ちが有利になります。
しかし、今回の分析結果から、申込資金が多ければ多いほど、SBI証券でのIPO投資効率は悪くなる(申込上限でのBB参加は投資効率が最悪)であることがわかりました。
管理人の言いたいことは、「IPO投資においてお金持ちを羨む必要は、まったくない」ということで、IPO投資にはベストな投資額があります。IPO投資だけなら、過剰な投資資金は不要です。資金に余裕があったら、IPO投資以外に回すべきでしょう。管理人のメインは、手堅い債券投資です。f(^^;)
なお、約12.1億円もの現金があれば、SBI証券が平幹事でも当選すると思われるかもしれないので、参考までに、SBI証券が取り扱うすべてのIPOに申込上限でBBに参加した場合をご紹介させていただきます。
SBI証券で伝説級のIPOといえば、”RPAホールディングス”(6572)。※2018年3月27日マザーズ上場
このIPOに、SBI証券から申込上限で参加した個人投資家の方がいらっしゃいます。ポイントは使わず、300株当選したとのこと。
初値売却益は、3,213,000円。公募価格は3,570円でしたので、購入額はトータル1,071,000円。この方は、NISA口座での申し込みだったので、NISA枠上限(120万円)を一度に使い切ったというおまけ付き。
これは、スゴイ!! ・・・ ですが、必要な申込資金(現金)は、21.4億円。ROIは、0.15%。う~ん f(^^;)
まさに大富豪ですね。(^^)
しかし、それだけの資金でSBI証券でIPO投資をすればかなり儲かるだろうと思いきや、”RPAホールディングス”以降のコメント(他のIPOブログで紹介されたコメント)では、「毎回申込上限で参加しています。以前はSBI証券が平幹事でもそこそこ当選しましたが、最近は主幹事でも当選できなくなりました」とのこと。いくら資金が多くとも、そこは抽選。BB参加者が多くなり、当選しにくくなるのはSBI証券でも同じのようです。
ちなみに、この大富豪投資家さんは、SBI証券をメインに株式投資をされている方で、非効率なIPO投資だけをされているわけではありません。どちらかと言えば、IPO投資はおまけなのでしょう。f(^^;)
補足
ー 統計学(平均)のマジック -
平均値というのは、時に誤解を招きます。今回の分析では、直近5年間で申込資金(平均)、約12.1億円で、約340万円の利益になっています。
誤解とは、約12.1億円あれば、平均約340万円の利益が稼げたということではありません。トータル46社の内、申込資金が12.1億円以上必要だったIPOが14社もあります。
申込資金の最高額は、約59.7億円。※クリーマ(2020年11月27日マザーズ上場)
12.1億円の資金(現金)では、5年間の利益(税引き後)は、約1,167万円で平均233万円なのです。
では、また(^^)/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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