【分析】BB参加者数と参加率の実態は?(1/2)

【№1159】

<strong>冒険者</strong>
冒険者

「IPO投資が人気化し、BB参加者が増大。結果、抽選倍率が上がり、
IPOの当選が困難になってきている」とよく聞きますが、本当ですか?

<strong>大賢者</strong>
大賢者

本当じゃろう。
しかし、具体的な数字をみたことがないな!!
一丁、分析してみるかな?

はじめに

 IPOブログを運営していますが、本当に欲しい情報は手に入りません。管理人が最も欲しい情報は、各社のBB参加者数です。おそらく、IPO投資に参加されている個人投資家すべての方が、最も知りたい情報ではないかと思います。
しかし、証券会社に公開義務もないため、BB参加者数が公開されることはありません。しかたがないので証券会社へ水面下で問い合わせたこともありますが、個人情報なので回答できませんと却下されました。まぁ、簡単に教えてくれるとは思っていませんが、どこが個人情報なのでしょう? … あはは f(^^;)

IPO投資が人気化し、BB参加者が増大。結果、抽選倍率が上がり、IPOの当選が困難になってきている」とよく聞きますので、今回は「BB参加者数・参加率の実態」を分析してみたいと思います。
とはいえ、収集可能な情報も少ないので、推し量る部分が多くなりそうです。・・・ あらら f(^^;)

BB参加者数・楽天証券

 楽天証券がBB参加者へ倍率を公開してくれます。IPOブロガーにとって、たいへんありがたく貴重な情報です。また、日本証券業協会は、IPO・証券会社ごとの抽選枠を公開してくれています。この2つの情報から、BBへの参加者数が計算できます。

 上記グラフは、各年度で最多BB参加者数のIPOをグラフ化したものです。対象となったIPOは以下の通りです。※2021年は9月まで

上場日 銘柄 倍率 抽選枠 参加者数
2021.07.16 ラキール 171倍 337本 57,627人
2020.12.17 かっこ 2,261倍 23本 52,003人
2019.12.17 ウィルズ 2,043倍 14本 28,602人
2018.07.10 MTG 48倍 473本 22,704人


 倍率も抽選枠もバラバラですが、上記の参加者数は楽天証券の年度単位での潜在的なBB参加者数(MAX)と考えてください。(^^)

 とんでもなく増大しています。約4年間でBB参加者数(最多)が約2.5倍になったわけですから、単純にいえば倍率もMAXで約2.5倍になったと考えて良いでしょう。管理人は、楽天証券での当選は一度もありません。ここから考えれば楽天証券への申込を止めたくなりますが、倍率の情報を公開してくれるのはここだけなので、IPOブロガーとしては参加せざるを得ないような ・・・。「楽天証券で申し込んだ方だけに倍率を教える」というのも、悩ましいですね。う~ん f(^^;)

楽天証券におけるBB参加者倍増の背景は?

 大きく2つの要因が考えられ、一つ目は「口座数の倍増」です。

※楽天証券の口座数は、各年12月末の証券総合口座数。2021年は12月7日のプレスリリースから

 この異様とも思える口座数の伸びは、楽天経済圏を活かした楽天会員の楽天証券への取り込みが成功しているのでしょう。今や、口座数の68%が30歳代以下、また47%が女性です。詳細は、下記をクリックしてみてください。
昨年の5月19日に「証券総合口座600万口座達成のお知らせ」が出たのですが、年内(12月7日)に「証券総合口座700万口座達成のお知らせ」ですよ。口座数に高齢者が多い大手総合証券会社からすれば、将来的に楽天証券が自社を脅かす存在になっていくのは戦々恐々でしょうね。f(^^;)

ちなみに、SBI証券の2021年9月末の口座数は、7,717,000口座。まだ楽天には追いつかれていませんが、この口座数にはネオトレード証券・ネオモバイル証券口座数が含まれています。単体ならば、どちらの口座数が多いのでしょうか?

 要因の二つ目は、楽天証券のIPO取扱社数ですが、これまた凄い伸び(倍増)です。

 口座数が増え、口座の状況(内訳)は30歳代以下が68%。IPO取扱数も倍増したなら、「そりゃ楽天証券でのBB参加者数も、倍増するってもんだー!!」 ・・・ ですね。f(^^;)

BB参加者が倍増しているのは楽天だけ?

 倍率を公開しているのは、楽天証券だけではありません。エイチ・エス証券もわかりずらいのですが、公式サイトで倍率を公開しています。エイチ・エス証券が主幹事になるIPOは年に1回あるかどうかなのですが、BB参加者を計算してみると ・・・。

 上記グラフは、各年度で最も多かったIPO(主幹事)の参加者数をグラフ化したものです。対象となったIPOは以下の通りです。※2021年は9月まで

上場日 銘柄 倍率 抽選枠 参加者数
2021.09.13 Geolocation Technology 122.72倍 102本 12,517人
2020.12.24 グローバルインフォメーション 24.53倍 520本 12,756人
2019.09.12 ピー・ビーシステムズ 62.12倍 195本 12,113人


 エイチ・エス証券のBB参加者に、ほとんど変化はありません。昔に口座開設したIPO投資家が、主幹事のIPOに申し込むだけ。主幹事・平幹事合わせてもIPOの取扱が少ない証券会社のため、新規に口座開設する方も少なく、変化がないということでしょうか?

最大の謎がこれなんです!!

 倍率を公開しているのは上記の2社だけですが、申込受付番号からBB参加者数がわかるのは、SMBC日興証券です。毎回でもありませんが、日興が主幹事の際に「【速報】申込受付番号と倍率予想」記事をアップしていますので、ご覧いただいている読者様も少なからずいらっしゃるのではと思います。
上記2社同様に、年度の申込受付番号(BB参加者数)の最多IPOをグラフ化したものが、これです!!

上記グラフの対象となったIPOは以下の通りです。

上場日 銘柄 公募 初値 初値売却益 初値騰落率 申込番号
2021.07.28 ブレインズ 1,780円 4,165円 2,385円 134.0% 75498
2020.11.19 あらら 1,400円 3,080円 1,680円 120.0% 80774
2019.02.22 識学 1,800円 4,550円 2,750円 152,8% 75970
2018.06.20 ログリー 1,860円 4,635円 2,775円 149.2% 71785

 
 率直に言うと、なにかヘンです。違和感を持ちます。これSMBC日興証券の主幹事IPOの申込受付番号の年間最多なのですが、少なすぎると感じませんか?
2021年の”ブレインズテクノロジー”の番号が下がっています。右肩上がりになるのでは? しかし、特に回避される理由は見つかりません。

IPO投資の基本中の基本は、主幹事への申込です。「IPO投資が人気を博し、BB参加者が増大。結果、抽選倍率が上がり、IPOの当選が困難になってきている」。ならば、主幹事証券のBB参加者はより増加しているはずではないのか? しかし、日興のBB参加者はそうなっていない。なぜでしょうね?

・SMBC日興証券の個別要因(IPO抽選ルール)?
 ペナルティあり。BBごとに資金が必要かつ即資金拘束されるので、IPOのBB参加者数・参加率は低くなりがちなのか? ペナルティなし、前受金ゼロの野村證券。ペナルティなし、一定金額以上で重複申込可能な大和証券・みずほ証券と比較できれば何かわかるかもしれませんが、これはできない相談ですね。f(^^;)

・日興の申込受付番号は、本当にBB参加者数なのか?
 日興が公式にBB参加者と言ってはいませんが、BB開始から申込受付番号は上がって行くので、参加者数と考えて良いのでしょう。なお、申込受付番号はイージートレード(オンライン)だけの申込でなく、店頭口座のお客様がIPOの裁量配分を申し込む際にも発番されます。

・BB参加者の増加が顕著なのはネット証券で、意外と大手総合証券は増えていないのではないか?
残念ですが、これも情報がなさすぎて検証できません。f(^^;)

いろいろ仮説が立ちますが、う~ん f(^^;) らちがあかないので、BB参加率の確度から再度分析にチャレンジしてみます。

IPOの承認・仮条件決定・公募価格決定・上場がない閑散期です。こういう時期にこそ時間のかかる分析をしたいものです。一応、BB参加率の分析記事(2/2)は、明日アップする予定です ・・・ たぶん?

最近、分析してもなかなか明快な結論にたどり着くことが難しくなってきました。まるで、IPOの当選が難しいのと同じですね。… あはは f(^^;)

 

では、また(^^)/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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