【№1845】
えっ!! 嘘なんですか?
嘘というか、矛盾だらけなのじゃ!!
IPOの当選確率を上げる方法とは?
IPOの当選確率を上げる方法といえば、読者様も『あれか?』と思い浮かべられることでしょう。この当選確率を上げる方法はいくつかありますが、集約すると『抽選回数を増やす』の1つだけで、残りはそこから派生した方法です。
代表的な方法に、『より多くの証券会社からIPO抽選に申し込む』があります。
1社からの申込ならば、抽選は1回。5社から申し込めば、抽選は5回です。同様に、家族ぐるみでIPO抽選に申し込めば、参加者分申込が増えるのですから抽選回数も増えます。最終的に『申込回数の増加 = 当選回数の増加』となり、これに異論を唱える人はいません。
ここから、『より多くの証券会社からIPO抽選に申し込む』がIPOの当選確率を上げる方法になるのですが、これが嘘というか矛盾だらけなのです。
IPOの当選確率を上げる方法は “嘘”
『えっ?』て思われますか。これ実は、『より多くの証券会社からIPO抽選に申し込む』は、IPOの当選確率を上げる方法ではなく、当選回数を増やす方法ということです。
前述の「5社から申し込めば、抽選は5回」について説明します。
1年間に100社のIPOが上場。1社あたり主幹事は1社、平幹事は4社とします。100社のIPOに1人で申し込んだ結果、当選は主幹事で4回、平幹事で1回。さて、トータルの当選確率は?
・申込回数 = (主幹事1社+平幹事4社)× 100社 = 500回
・当選回数 = 4回
・当選確率 = 1%(5回 ÷ 500回)
当選確率1%は、間違いではありません。しかし、当選確率は、主幹事:4%(4回 ÷ 100回)、平幹事:0.25%(1回 ÷ 400回)。主幹事だけなら当選確率4%なのに、平幹事0.25%を含めると、当選確率は1%に下がってしまいます。この『より多くの証券会社からIPO抽選に申し込む』は、IPOの当選確率を上げる方法なのでしょうか? まぁ、主幹事と平幹事の当選回数を逆にすればつじつまが合いますが、主幹事より平幹事の当選が多いというのには無理がありますね。
『えっ … でも?』と思われますか。
では、今度は主幹事だけを家族(2人)で申し込んだ場合、をやってみましょう。
1年間に100社のIPOが上場したとして、1社あたり主幹事は1社。それを家族2人で100社のIPOに申し込んだ結果、当選は8回。さて、トータルの当選確率は?
・申込回数 = (主幹事1社)× 100社 × 2人 = 200回
・当選回数 = 8回
・当選確率 = 4%(8回 ÷ 200回)
参加者が1人増えると当選回数は増えますが、当選確率4%は変わりません。これまた、『より多くの証券会社からIPO抽選に申し込む』は、IPOの当選確率を上げる方法なのでしょうか?
ちなみに、家族2名でIPOに年間8回当選することが感覚的に「ない」と思ってしまいますが、年間1人平均で4回当選するのならば、家族2名で平均8回当選すること全然あり得ることです。ここでは、当選確率の計算をしやすくするために、当選回数を増やしているだけです。f(^^;)
管理人の独り言
まだ、『なんか腑に落ちない?』 … みたいな感じですか。
IPOの当選確率を上げる方法とは、当選回数を増やす方法であって、当選確率を増やす方法ではありません。前述のとおり、当選回数が増えても当選確率は同じで、『IPOの当選確率を上げる方法』は矛盾だらけです。
基本的に「当選確率 = 当選回数 ÷ 申込回数」です。当選回数が増えると当選確率も増えるように感じてしまうのは、「当選確率 = 当選回数 ÷ 申込IPO」に都合よく分母をかえているからではないでしょうか。確かにこれならば、当選確率は上がります。f(^^;)
なお、本当に当選確率を上げる方法として『優遇抽選に申し込む』がありますが、万人向けではないので『IPOの当選確率を上げる方法』といって良いのか疑問です。
今回は、上げ足をとるような記事になってしまいました。でも、IPO投資術とは『より多くの証券会社からIPO抽選に申し込む』。そして、『それを継続する』です。違いがあるとすれば、『どの証券会社から申し込めば効果的・効率的か』ではないでしょうか。f(^^;)
では、また(^^)/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2つのブログランキングに登録しています。
記事が面白かったら、応援の意味で下記の
「バナー」をクリックしてくださいね。(^^)