【№1931】
あの『お金持ち優遇ルール』のどこに謎があるのですか?
よくよく考えると不思議なのじゃ!!
はじめに
読者の皆様もご存じの通り、SBI証券のIPO抽選ルールはお金持ちが優遇される『口数比例方式』を採用しています。申込株数が、100株より200株、200株より300株 ・・・ 申込株数が多くなれば当選確率は上がります。
しかし、申込株数が多ければよいわけではありません。抽選・配分日時時点において、申込株数分の買付金額が買付余力よりも大きい場合、買付余力の範囲内で申込可能な株数のみ抽選対象となります。
このようなルールなので、抽選申込の際には他の証券会社に申し込んで、残りの資金でSBI証券に申し込むという読者様も多いと思います。何ら問題はありません。合理的な考えです。(^^)
・・・ とここまでは、周知の話です。
どこまで(何株まで)申し込めるのか?
では、いったい何株まで申し込めるのでしょうか? 不思議とSBI証券の公式サイトにはなにも記載されていませんが、申込株数には上限があります。
上記は12月19日に上場した “エスネットワークス” で、管理人の落選画像です。f(^^;)
この “エスネットワークス” の申込上限は、350,000株です。この 350,000株がどこからきたかといえば ・・・ 。
引受幹事 | 割当株数 | 割当比率 |
SBI証券 | 315,000株 | 90% |
SMBC日興証券 | 10,500株 | 3% |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 10,500株 | 3% |
みずほ証券 | 7,000株 | 2% |
アイザワ証券 | 3,500株 | 1% |
楽天証券 | 3,500株 | 1% |
小計 | 350,000株 | 100% |
OA | 52,500株 | |
総合計 | 402,500株 |
※上記の割当株数は目論見書(追補版)から抜粋したものですが、委託幹事にSBIネオトレード証券・auカブコム証券もありますので、最終的にはSBI証券・三菱UFJモルガン・スタンレー証券の割当株数は多少違ってきます。
つまり、『SBI証券のIPO抽選申込上限 = 公開株数+売出株数』ということです。これはSBI証券が主幹事でも平幹事でも同じです。
面白いもので、SBI証券で “エスネットワークス” を申し込む際、350,100株(申込上限+1口)と入力するとエラー『申込株数が上限を超えています』が出ます。ご興味がある方は、2024年度第1号IPOとなりそうな(2024年2月7日上場予定)、SOLIZE(ソライズ)のBB時にお試しください。(^^)
管理人の独り言 その1『謎とは?』
ー SBI証券 IPO抽選ルールの謎 ー
管理人には、『申込上限 = 公開株数+売出株数』が理解できません。なぜなら、SBI証券の割当株数を超えているからです。SBI証券は、なぜ存在しない株まで申し込みを受け付けるのか疑問です。
管理人はこのように考えてみました。まずありませんが、IPOの承認後、引受幹事が幹事を辞退するケースがあります。過去5年間で2度ほど平幹事が幹事から降りたケースがありました。その際の平幹事の割当株数は、おそらく主幹事の裁量で再配分されるのではないか思います。
ならば、”エスネットワークス” の場合、平幹事が全員降りたならばSBI証券の割当株数は『公開株数+売出株数』になります。確かにこれなら辻褄はあいますが、平幹事が全員降りるケースが起こりえるのでしょうか? この考えは、あまりにも現実離れしていますね。
SBI証券の申込上限が、なぜ公開株数+売出株数なのか? 読者様でわかる方がいらっしゃいましたら、是非ともお教えいただきたくお願い申し上げます。
ー 管理人がこだわる理由 ー
『そういうルールなんだから!!』 ・・・ そう言われれば、その通りです。しかし、”エスネットワークス” に 35万株(申込上限)で申し込んだ方がいて、買付余力が 255,500,000円(公開価格730円 × 35万株)以上あったとしましょう。当選確率は、100株申込の3,500倍になります。いくらSBI証券がお金持ち大好きといっても、ここまで差をつけていいものかと感じます。
SMBC日興証券のステージ抽選では、ブロンズ(1票)とプラチナ(25票)は25倍差。ステージを獲得するための直近3ヶ月間の月末平均残高で見れば、ブロンズ(250万円)・プラチナ(5,000万円)と20倍差ですよ。同じような優遇ルールですが、SMBC日興証券の方が可愛く見えます。
以上の流れで考えると、前述したSBI証券の申込上限が公式サイトにない理由も、記載すると『お金持ちを優遇していることが露骨すぎる』から ・・・ かもしれませんね。f(^^;)
また、IPOチャレンジポイントも、お金持ちとそうでない方の差(当選確率の差)を埋めるため(心理的な穴埋め)に作られたかもしれません。しかし、『いつかは、IPOがゲットできる』 が、『いつまでたっても、IPOがゲットできないチャレンジポイント』になっています。なんともならないと思いますが、なんとかして欲しいものです。まぁ、公募割れするようなIPOならば、少ないポイントでもゲットできるので、嘘はついていないのでしょうが ・・・ 。
管理人の独り言 その2『人は平等なのか?』
SBI証券の露骨なお金持ち優遇を前にすると、『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず』の一文が思い出されます。「人は平等ではないのか!!」ですよ。この一文を、福沢諭吉が平等をうたった言葉、と解釈している人は少なくありません。
この言葉を引用する際、ヘンなところで切られているのです。正確には『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず、と言へり。』です。
福沢諭吉はアメリカの独立宣言の序文『すべての人間は、生まれながらにして平等である』を意訳して引用した上で、『言えり』 = 「と言われている」 のですが ・・・ と締めています。
となると、『天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず』」は、福沢の考えではなかったということになります。そしてその後には、まったく逆の意味の主張が続きます。
小難しい長文が続くので意訳すると、「しかしながら実際には賢い人と愚かな人、貧しい人と富んだ人、身分の高い人と低い人がいて、雲泥の差がついている」という意図の文章が続きます。
「だからこそ、その不平等な差を埋めるため、生まないために、勉強して自分を磨くことをお勧めする」と説いています。この一文は『学問ノススメ』の序文ですので、「なるほど ・・・」と納得できます。
お金持ちがたくさん持っているものは、諭吉様。その諭吉様が『人は平等ではない。これが現実だ!!』というのならば、彼を取り扱うSBI証券の露骨なお金持ち優遇には文句はつけられませんね。f(^^;)
・・・ というオチで終わらせていただきます。
では、また(^^)/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2つのブログランキングに登録しています。
記事が面白かったら、応援の意味で下記の
「バナー」をクリックしてくださいね。(^^)