【IPO投資術】最強の委託幹事はどこ?(その3)

【№1346】

<strong>冒険者</strong>
冒険者

とうとう最終回ですね。
やはり最強の委託幹事はあそこですか?

<strong>大賢者</strong>
大賢者

データに裏付けされた最強の委託幹事ということじゃな。

前回(その2)のおさらい

 最強の委託幹事を選ぶために、”auカブコム証券”・”CONNECT”・”DMM.com証券”・”LINE証券”・”岡三オンライン証券”の5社を分析対象としました。この5社は、委託幹事オンリーの会社です。
その1では、平均抽選枠があまりにも少ない”DMM.com証券”・”岡三オンライン証券”は、最強委託幹事の候補から外しました。
その2では、スマホ証券として”CONNECT”・”LINE証券”を比較した結果、”CONNECT”より抽選枠が少ない”LINE証券”を候補から外しました。

委託幹事5社の平均抽選枠

証券会社 取扱実績 抽選枠(Avg.) 備考
auカブコム証券 42社 177.5本  
CONNECT 48社 92.8本 平等抽選(70%)の平均抽選枠
LINE証券 11社 32.5本  
DMM.com証券 5社 5本 実績は、毎回5本
岡三オンライン証券 46社 1.5本 平等抽選(10%)の平均抽選枠


今回は、残った”auカブコム証券”・”CONNECT”の比較分析です。

”auカブコム証券” VS ”CONNECT”

 上記の”auカブコム証券”・”CONNECT”の抽選枠(Avg.)は、”三菱UFJモルガン・スタンレー証券”、及び”大和証券”が主幹事・平幹事に関係なく委託幹事として取り扱ったすべてのIPOの平均値です。

その2で、”CONNECT”・”LINE証券”を比較した際に、2社が委託幹事になる条件を合わせた結果は、以下の通りでした。

スマホ証券2社の平均抽選枠

証券会社 取扱実績 抽選枠(Avg.) 備考
CONNECT 14社 302.6本 大和証券が主幹事(共同主幹事を含まず)
LINE証券 11社 32.5本 野村證券が主幹事(共同主幹事を含まず)


“大和証券”が主幹事(共同主幹事を含まず)の場合では、”CONNECT”の抽選枠は”auカブコム証券”の抽選枠(177.5本)を大きく上回っていますので、条件を揃えてみましょう。

”auカブコム証券”・”CONNECT”の抽選枠平均
(条件:主幹事・共同主幹事)

証券会社 取扱実績 抽選枠(Avg.) 備考
auカブコム証券 3社 1,573.0本 三菱が主幹事、または共同主幹事
CONNECT 16社 257.1本 大和が主幹事、または共同主幹事

”auカブコム証券”・”CONNECT”の抽選枠平均
(条件:平幹事)

証券会社 取扱実績 抽選枠(Avg.) 備考
auカブコム証券 39社 69.4本 三菱が平幹事
CONNECT 32社 10.6本 大和が平幹事


主幹事・平幹事ともに、”auカブコム証券”・”CONNECT”の抽選枠(Avg.)の差は約6倍です。
特に、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事(共同主幹事)の際の”auカブコム証券”の抽選枠(Avg.)1,573本は、主幹事レベル。これはスゴイですね。f(^^;)

このような差になる背景は 、大きく2つあります。
①”auカブコム証券”が”CONNECT”より、抽選枠(率)が多い(高い)

“auカブコム証券”の抽選配分比率(平均)

三菱UFJモルガン・スタンレー証券 抽選枠配分比率(Avg.)
主幹事 ※2021年度は主幹事なし
共同主幹事 62.2%
平幹事 54.5%
トータル 55.1%

※”三菱UFJモルガン・スタンレー証券”に対する”auカブコム証券”の抽選枠比率

“CONNECT”の抽選配分比率(平均)

大和証券 抽選枠配分比率(Avg.)
主幹事 11.1%
共同主幹事 14.7%
平幹事 12.1%
トータル 11.5%

※”大和証券”に対する”CONNECT”の抽選枠比率


②”三菱UFJモルガンス・タンレー証券”は、大手総合証券の中では主幹事(共同主幹事)が少ないのですが、規模の大きい(公開株数の多い)IPOを取り扱うケースが多いという特徴があります。その三菱から抽選枠が回ってくるのですから、”auカブコム証券”の抽選枠も大きくなりますね。

“auカブコム証券” 抽選枠内訳

10本以下 11本~50本 51本~500本 501本~1,000本 1,001本以上
19社 15社 4社 0社 4社 42社

“CONNECT” 抽選枠内訳

10本以下 11本~50本 51本~500本 501本~1,000本 1,001本以上
26社 14社 5社 3社 0社 48社

最強の委託幹事はどこ?

 ”auカブコム証券”・”CONNECT”の抽選枠配分比率(Avg.)・抽選枠分布を見る限り、”auカブコム証券”の方が抽選枠は多そうです。
特に、1,001本以上抽選枠があるIPO(4社)は、インパクトがあります。この4社は、三菱が共同主幹事の”ウィングアーク1st.”(1,018本)、”PHCホールディングス”(2,343本)、”Finatextホールディングス”(1,358本)と、平幹事の”エクサウィザーズ”(1,493本)です。

しかし、”PHCホールディングス”、”Finatextホールディングス”、”エクサウィザーズ”の初値は公募割れ。あれ~!! (>_<)

初値を度外視して考えると、抽選枠が多いIPOを取り扱う回数は少ないが、当選確率が最も高そうな委託幹事は、”auカブコム証券”ということになりそうですね。

”auカブコム証券”を最強の委託幹事と言っていいかは、・・・ う~ん f(^^;)

管理人の独り言

 読者様はどの証券会社が最強の委託幹事 ・・・ と言うか、どの証券会社が最後まで残ると予想されましたか? IPO投資を長年経験されている読者様は、公募割れがないという条件付きで”auカブコム証券”とお考えになられた方もいらっしゃったことでしょう。

管理人は、おそらく”auカブコム証券”が残るだろうと思っていました。今回の分析は、2021年度のデータですが、”auカブコム証券”が残るという仮説を根拠ある数値データを基に検証してみたということです。

実は、これで終わる予定でしたが、まとまりに欠ける終わり方になってしまいました。悪戯に引き延ばすつもりはありませんが、次回は本当にラストということで、「委託幹事の使い方」と題して、「委託幹事各社の有効性と序列」の記事(まとめ)をアップしてみます。


では、また(^^)/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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