【№1717】
名証メイン市場上場の意図は?
経営上のメリットがあるのじゃ!!
当ブログ承認記事のポイントは、以下の3点です。 ◆社名由来・意味 ⇦ 管理人の趣味です。f(^^;) ◆難易度 ⇦ 承認時点の主幹事抽選枠予想から当選難易度を考察 ◆売り圧力 ⇦ VCの有無と上場初日に売出可能な株式の算出 |
なぜ、名証メイン市場へ上場?
市場分類
東京証券取引所 | 名古屋証券取引所 |
プライム(旧 一部) | プレミア(旧 一部) |
スタンダード(旧 二部) | メイン(旧 二部) |
グロース(旧 マザーズ等) | ネクスト(旧 セントレックス) |
4月21日に上場した “フルハシEPO”(愛知県名古屋市)は、東京証券取引所スタンダード市場ならびに名古屋証券取引所メイン市場に上場しました。
片や、”エージェント・インシュアランス・グループ”(東京都新宿区) は、名証メイン市場への単独上場。
上場基準は、名証メイン市場が「上場時価総額10億円以上」であることに対し、東証スタンダード市場は「流通株式時価総額10億円以上」かつ「流通株式比率25%以上」が求められます。つまり、東証スタンダード市場の場合、計算上「40億円程度」が全体の時価総額の最低ラインだと考えられます。
“エージェント・インシュアランス・グループ” は設立21年目の会社ですが、この際グロース市場への上場も考えられますが、東証グロース市場は「流通株式時価総額5億円以上」かつ「流通株式比率25%以上」が求められます。同様に計算すると、東証グロース市場の場合、計算上、「20億円程度」が全体の時価総額の最低ラインだと考えられます。同社の想定時価総額は、14.8億円。グロース市場へも届きませんね。う~ん f(^^;)
ー なぜ、名証メイン市場へ上場したのか? -
確かに、東証スタンダード市場・グロース市場の上場基準を満たしてません。しかし、そんな安直な考えではありません。
東証・名証とも市場の再編成を行いました。単純に旧市場から単純にスライドしたように見えますが、東証は「新規上場基準」と「上場維持基準」を共通化しました。東証市場再編前は、「新規上場基準」と「上場維持基準」の間に一定のバッファがありましたが、東証市場再編後はバッファがなくなりました。
つまり、名証メイン市場の時価総額の新規上場基準「10億円以上」、上場維持基準「5億円以上」の差(バッファ)あることは、経営上のメリット、つまり「短期的」な株価に必要以上に振り回されることなく、「中長期的」に企業価値の向上を図ることができます。
IPO愛好家は投資の短期的な観点でIPOの上場市場を見ますが、会社側は「IPOはあくまでも入口に過ぎずその後の成長が大事」ということですね。(^^)
社名由来・意味
同社の設立時の社名は、”株式会社 サンインシュアランスデザイン”。2021年7月に、”株式会社 エージェント・インシュアランス・グループ” へ社名変更。
同社の事業は、「インシュアランス」の名の通り「保険業」ですね。ただ、2021年の社名変更は、おそらく上場を意識したものなのでしょう。(^^)
IPO Outline
会社名 | 株式会社 エージェント・インシュアランス・グループ [5836] |
本店所在地 | 東京都新宿区 |
上場市場 | 名証メイン市場 |
設立年月日 | 2001年 6月 1日 |
業種別分類 | 保険 |
事業概要 | 個人および法人向けの保険代理業 |
規模 | 超小型(時価総額14.8億円、吸収金額2.6億円)※想定価格ベース |
親子上場 | なし |
幹事会社(主) | SBI、東海東京、岡三、極東、松井、アイザワ、岩井コスモ |
BB期間 | 12月 7日 ~ 12月 13日 |
抽選発表 | 12月 14日 |
上場予定日 | 12月 22日 |
同日上場 | コーチ・エィ(9339)、jig.jp(5244) |
発行株数 | 1,966,000 株 |
公開株数 | 402,500 株 公募: 350,000 株 + 売出: 0 株 + OA: 52,500 株 (公募内訳:新規株式発行 350,000 株、自己株式処分 – 株) |
売出比率,OR | 売出: 0.0 % OR: 17.4 % |
想定価格 | 630 円 |
海外向け販売 | なし |
難易度 | 主幹事(SBI)の割当株数を85%とすると、予想抽選枠は1,339本。 抽選枠が1,000本以上ですが、SBIだけに厳しいですね。f(^^;) |
事業内容
グループは、エージェント・インシュアランス・グループ、及び連結子会社2社(株式会社保険ショップエージェント、Agent America, Inc.)の計3社より構成されていて、個人及び法人のお客様に向けて損害保険・生命保険の販売を行う保険代理店事業を展開し、保険契約の取次からアフターフォロー(保全業務)にいたるまで一貫したサービスを提供しています。 |
業 績
回次 | 第17期 | 第18期 | 第19期 | 第20期 | 第21期 |
決算年月 | 2017/12 | 2018/12 | 2019/12 | 2020/12 | 2021/12 |
売上高(百万円) | 2,049 | 1,511 | – | 2,431 | 2,906 |
経常利益(百万円) | 77 | 189 | 124 | 183 | 219 |
当期純利益(百万円) | △58 | 122 | 77 | 123 | 155 |
※第19期まで単独決算。第20期から連結決算。
経常利益とは、企業が通常行っている業務の中で得た利益のこと。
当期純利益とは、一会計期間(通常は1年間)に会社が活動した結果の全収益から、全ての費用・法人税等を差し引いた利益のこと。
手取金の使途
充当先(予定) | 金額 |
採用費・人件費 | 136,142 千円 |
広告宣伝費 | 45,000 千円 |
支店開設費等 | 50,000 千円 |
計 | 231,142 千円 |
売出株放出元
株主 | 関係他 | 売出株数 |
– 株 | ||
計 | – 株 |
VCの有無
VC : 0 |
売り圧力
発行済株数 | 1,966,000 株 |
売出株数 | 0 株 |
残(株主保有株) | 1,966,000 株 |
・180日ロックアップ | 865,190 株 |
・180日ロックアップ & 1.5倍ロックアップ解除① | 881,500 株(150,000株) |
・ロックアップなし② | 219,310 株 |
上場初日に売却可能性のある株数(①+②) | 369,310 株 |
※1.5倍ロックアップ解除で売却可能な株数は、実質150,000株。
ストックオプション(新株引受権)
・ストックオプション(行使可能) | 0 株(0 株) |
では、また (^^)/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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