【№1909】
楽天銀行の倍率(6倍)に何かあるのですか?
読者様から『不可解な倍率』とのコメントが届いたのじゃ!!
はじめに
3ヶ月近くもブログをお休みしていたのですが、楽天銀行の上場は4月21日。2ヶ月も前のIPOをネタにするもの ・・・ ですね。今回は、読者の “かぶ○○○” 様からいただいたコメントに思うところがあり記事にしてみました。
読者様のコメントは、このような内容でした。『楽天銀行には私もフル参戦で大和証券をはじめ6枚の当選をいただきましたが、本命の楽天証券では5口全滅でした。倍率6倍とは言え不可解です。』
楽天証券は、取扱IPOの倍率を抽選発表時に公開している唯一の証券会社です。楽天銀行の倍率は6倍と、久々に10倍未満の倍率となりました。
倍率6倍とは、6人に1人(6口に1口)が当選したということです。読者様の申込は6口ではありませんでしたが、それでも5口の申込(家族を含めた申込?)です。5口も申し込んで全滅とは、これいかに!! ・・・ (>_<)。ということで『不可解』と感じたのでしょう。
今回は、タイトルを『倍率の怪』とし、この『不可解』を解き明かしていきたいと思います。
国内向け販売株数と各証券会社の取扱株数(最終)
楽天銀行 国内・海外向け販売株数
国内向け | 海外向け | 計 | |
公募 | 5,555,500 株 | 5,555,500 株 | |
売出 | 21,966,400 株 | 31,984,900 株 | 53,951,300 株 |
OA | 4,463,000 株 | 4,463,000 株 | |
計 | 31,984,400 株(50%) | 31,984,900 株(50%) | 63,969,300 株 |
上記の通り、国内・海外向け販売株数は、50%ずつになりました。それでは、この国内向けが各証券会社にどう割り振られたかというと ・・・ 。
楽天銀行 証券会社の割当株数と抽選枠
証券会社 | 割当株数 | 抽選枠(想定) |
大和証券 | 11,619,500 株 | 10,109 本 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 4,623,600 株 | 4,254 本 |
楽天証券 | 4,403,400 株 | 39,631 本 |
みずほ証券 | 3,742,900 株 | 3,443 本 |
野村證券 | 2,752,100 株 | 2,532 本 |
SMBC日興証券 | 2,642,000 株 | 2,087 本 |
ゴールドマンサックス証券 | 1,651,200 株 | – 本 |
マネックス証券 | 275,100 株 | 2,476 本 |
松井証券 | 275,100 株 | 2,476 本 |
計 | 31,984,400 株 | 67,008 本 |
※赤字:共同主幹事、緑字:平幹事
各社の抽選枠は想定です。来月(7/10)に日本証券業協会から詳細が公開されますが、大きくは違わないと考えています。
ここからわかることは、各社とも申込口数は1口/人でしたので、抽選枠の多い順に当選したと考えられますね。つまり、楽天証券は平幹事でしたが、主幹事を抑えて断トツで当選し易かったということになります。
なお、楽天証券の倍率は6倍でしたので、参加者は約238,000人になります。いやはや、いまさらながらIPOって人気があるのですね。(^^;)
管理人の独り言
こうなると、読者様の『5口も申し込んで全滅ってなに?』といいたくなるのもうなづけます。また、『倍率6倍は本当なのか?』とも疑いたくなりますね。
ところが、これ確率で考えると面白いのです。倍率とは『参加者(申込口数)÷ 抽選枠』 なので、倍率(6倍)の当選確率はこの逆の『抽選枠 ÷ 参加者(申込口数)= 16.7%』になり、落選確率は『(1 = 100%)- 16.7% = 83.3%』です。
前述の通り、『倍率6倍とは6人に1人(6口に1口)が当選』することになるのですが、申込口数と落選確率を表にすると ・・・ 。
申込口数と全滅する確率
申込口数 | 1口 | 2口 | 3口 | 4口 | 5口 | 6口 |
落選確率 | 83.3% | 69.4% | 57.9% | 48.2% | 40.2% | 33.5% |
計算式は『83.3%の自乗』で、上記の落選確率とは申込口数における全滅する確率です。読者様は、5口申し込んだわけですが、4割の確率で1口も当選しないのです。
※管理人のデータ分析はEXCELを活用していますが、EXCELって便利ですね。関数『=○^◇』で自乗計算ができてしまいます。『83.3%^6』で6乗です。(^^)
倍率6倍とは、6人に1人当選する。ならば、『6口申し込めば1口は当選する』と考えてしまいがちです。でも、確率で見ると『6口で申し込んでも、3割強は全滅する』のです。同じことをいっているのですが、『6口申し込めば1口は当選する』の方が当選しやすく感じてしまいますね。おそらくこれが、読者様が『不可解』と感じた正体なのだと思います。ご納得いただけたでしょうか。
では、また(^^)/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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