【№1195】
初値売りは、IPO投資の基本ではないのですか?
そこを分析するのが、面白いというものじゃ!!
はじめに
分析が大好きな管理人です。読者様は笑ってしまうかもしれませんが、分析は”素朴な疑問”がきっかけとなることが多いのです。f(^^;)
今回の「IPOの初値売りは、本当にベストなのか?」も、持ち続けた”素朴な疑問”でした。
「IPOを上場前にゲット(公募当選・裁量配分)、そして初値で売却」。よくいわれる一般的なIPO投資の手順です。しかし、「初値で売らなければ、もっと儲けれられたのではないか?」とも思いますし、逆に初値後の株価は乱高下し、とてもリスキーで「セカンダリー売却などできない(見極められない)ので、初値売りでOK」という考えもあります。
いろいろなデータが収集できましたので、初値売りの分析(2021年度版)にチャレンジをしてみます。(^^)
なお、データが多く、またいろいろな角度から分析するため、記事は分割となります。大まかに以下の内容(予定)になります。
①IPOの初値売り成功率は?(今回:タイトル「IPOの初値売りは、本当にベストなのか?」)
②IPOのストップ高・ストップ安(次回以降:タイトル未定)
③IPOの初値売り実態は?(次回以降:タイトル未定)
④IPOのベストな売りタイミングは?(次回以降:タイトル未定)
⑤その他、上記以外の補足分析(次回以降:タイトル未定)
IPOの初値売り成功率は?(その1)
IPO初値売りの成功・失敗は、便宜上次のようにします。
★初値売りの成功 : 初値 > 終値 ★初値売りの失敗 : 初値 < 終値 |
「初値で売却しなければ、いつの売却とするか?」は、いろいろな考え方がありますが、IPO投資は基本、短期売買投資であり、お仕事中で自由に株価チェックができない(売り注文が手軽にできない)方もいる点で、「終値は初値が付いた日の終値」とさせていただきました。f(^^;)
IPOの初値売り成功率①
(2021年上場:125社)
上場社数 | 成功 | % | 失敗 | % | 引分 | % | |
東証一部 | 6 | 2 | 33.3% | 4 | 66.6% | ー | ー |
東証二部 | 8 | 7 | 87.5% | 1 | 12.5% | ー | ー |
マザーズ | 93 | 57 | 61.3% | 35 | 37.6% | 1 | 1.1% |
JASDAQ | 16 | 11 | 68.8% | 5 | 31.3% | ー | ー |
地方 | 2 | 2 | 100% | 0 | 0.0% | ー | ー |
計 | 125 | 79 | 63.2% | 45 | 36.0% | 1 | 0.8% |
※引分:初値=終値
IPOの初値売り成功率は?(その2)
今度は、違った角度から集計してみましょう。(^^)
上記の「IPOの初値売り成功率①」は、2021年に上場した125社(すべて)を対象にしています。では、この 「IPOの初値売り成功率①」 を「公募割れしないIPOの初値売り成功率②」と「公募割れIPOの初値売り成功率③」に分割してみます。
ちなみに、2021年の勝敗は、勝ち(公募<初値)、負け(公募>初値)、引分(公募=初値)で分類すと、「勝ち:103社(82.4%)」、「負け:20社(16.0%)」、「引分:2社(1.6%)」。
引分は売却時の手数料を考慮すると実質損失になるので、便宜上負けとして集計しました。f(^^;)
なお、JDSC(2021年12月上場)の初値(1,681円)は、公募+1円。これも初値売りは実質損失なのですが、勝ちとします。ご理解方、よろしくお願いいたします。f(^^;)
公募割れしないIPOの初値売り成功率②
上場社数 | 成功 | % | 失敗 | % | 引分 | % | |
東証一部 | 4 | 1 | 25.0% | 3 | 75.0% | ー | ー |
東証二部 | 5 | 4 | 80.0% | 1 | 20.0% | ー | ー |
マザーズ | 79 | 48 | 60.8% | 30 | 38.0% | 1 | 1.3% |
JASDAQ | 13 | 9 | 69.2% | 4 | 30.8% | ー | ー |
地方 | 2 | 2 | 100% | 0 | 0.0% | ー | ー |
計 | 103 | 64 | 62.1% | 38 | 36.9% | 1 | 1.0% |
※引分:初値=終値
公募割れIPOの初値売り成功率③
上場社数 | 成功 | % | 失敗 | % | 引分 | % | |
東証一部 | 2 | 1 | 50.0% | 1 | 50.0% | ー | ー |
東証二部 | 3 | 3 | 100.0% | 0 | 0.0% | ー | ー |
マザーズ | 14 | 9 | 64.3% | 5 | 35.7% | ー | ー |
JASDAQ | 3 | 2 | 66.7% | 1 | 33.3% | ー | ー |
地方 | 0 | 0 | 0.0% | 0 | 0.0% | ー | ー |
計 | 22 | 15 | 68.2% | 7 | 31.8% | ー | ー |
分析・解析
今回の「IPOの初値売り成功率」分析は、2021年上場した125社を対象にしています。集計方法も、「全体」「公募割れの有無」を市場別にしただけのものです。これで「IPOの初値売りは、本当にベストなのか?」を判断することはできませんが、ある程度の傾向は見えます。
また、個々のIPOの初値はバラバラです。「平均値で考えるのはちょっと?」なのですが、ともあれ市場別でバラツキがあるとはいえ、「初値売りの成功率の方が高い」結果が出ました。公募割れのIPOも、全体で見れば「損失覚悟で初値売りをした方が、損失を低減」できています。
特に、IPOで多いのは圧倒的にマザーズ市場への上場。ここだけみれば、公募割れしなかったIPOの初値売り成功・失敗は、約【6:4】。初値売り成功率の方が高いとはいえ、微妙なところです。
★総論としては、「初値売りが本当にベストなのかは微妙だが、どちらかといえば、初値売りに分がある」でしょうか。あくまで、2021年IPOの傾向ですけどね。f(^^;)
アンケート
ここで、読者の皆様に「初値売り」の実態調査アンケートをしてみましょう。簡単なアンケートなので、気軽にご参加いただけると助かります。f(^^;) ※期限は、2月6日(日)までです。
★回答手順:どれか1つを選択し【Vote】をクリック。【View Results】をクリックすると、集計結果(最新)が表示されます。(^^)
初値売りをされていますか?(実態をご回答願います)
- 初値売り(100%) (47%, 20 Votes)
- IPOによるが、どちらかといえば、初値売りが多い (33%, 14 Votes)
- IPOによるが、どちらかといえば、初値売りが少ない (12%, 5 Votes)
- IPOによるが、初値売りは半分くらい(50%) (7%, 3 Votes)
- 初値売りはしない(0%) (2%, 1 Votes)
Total Voters: 43
では、また(^^)/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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