【激怒】IPOで”大失態”!! SMBC日興証券

【№1465】

<strong>冒険者</strong>
冒険者

SMBC日興証券が、またやらかしたのですか?

<strong>大賢者</strong>
大賢者

そうじゃ!! 今度はIPOじゃ!!

“坪田ラボ”でロックアップ違反!!

 本日(23日)の日本経済新聞にも掲載されていますので、既にご存知の読者様も多いかと思いますが、6月23日にグロース市場に上場した坪田ラボ(4890)において、ロックアップ違反(株主がロックアップ期間中に売却)がありました。

 概要は ・・・
・坪田ラボは慶応義塾大学発の医療機器ベンチャーであり、株主には学校法人慶応義塾。
・坪田ラボと慶応義塾で上場後6カ月間の売却をしないと確約。
・しかし、慶応義塾は、上場直後の株式売却を制限する「ロックアップ」に違反して全株を売却。
・売却は慶応義塾がロックアップがあったことを失念していたことによりますが、慶應義塾が主幹事のにロックアップ対象かどうかを問い合わせた際に、SMBC日興証券は誤って「対象外」と回答⇦ ここポイント!!

日本経済新聞記事は、下記をクリックすればジャンプします。
坪田ラボ株で「ロックアップ」違反、慶応義塾が全株売却

ロックアップとは?

 IPO愛好家の読者の皆様にロックアップの説明をするまでもありませんが、慶応義塾のロックアップは、一般的な任意ロックアップではなく、制度ロックアップでした。

種 類 内 容
制度ロックアップ 取引所の規則により定められたロックアップ(6ヶ月間)。上場準備会社が直接期首以降に行った第三者割当による株式または新株予約権の割当てを受けたものが対象。
任意ロックアップ 主幹事会社が、任意に設定したロックアップ。一般的な90日・180日ロックアップのこと。


 慶応義塾は、制度ロックアップの対象。つまり、第三者割当であるか、下記の通り目論見書に明記されています。

※注2
同施行規則第268条第1項第1号の規定に基づき、当社は、割当てを受けた者との間で、割当てを受けた株式(以下「割当株式」という。)を、原則として、割当てを受けた日から上場日以後6ヶ月間を経過する日(当該日において割当株式に係る払込期日又は払込期間の最終日以後1年間を経過していない場合には、割当株式に係る払込期日又は払込期間の最終日以後1年間を経過する日)まで所有する等の確約を行っております。

SMBC日興証券の説明は?

当社主幹事銘柄における
「第三者割当により割り当てられた株式の譲渡に関する報告書」の提出について

 当社が主幹事を務め本年6月23日に上場しました坪田ラボ株式に関して、本日付けで株式会社坪田ラボ(代表取締役社長:坪田 一男、本社所在地:東京都新宿区)より株式会社東京証券取引所(代表取締役社長:山道 裕己、本社所在地:東京都中央区、以下「東証」)に対して「第三者割当により割り当てられた株式の譲渡に関する報告書」の提出がありました。当該提出は、東証の定める有価証券上場規程及び有価証券上場規程施行規則に対して、坪田ラボ元株主(以下「当該元株主」)による違反があったことによるものです。本件の経緯につきまして社内調査を行なったところ、当該元株主の違反に対し、当社の対応が影響していたことが判明いたしました。

 当該元株主は、東証の規則による制度ロックアップの対象になっておりました。当社では、新規上場前の第三者割当増資等に係る継続所有対象者(以下「対象者」)への対応として、対象者の確認を行ない、口座の株式残高に対して売却規制登録手続きを採ることとしております。しかしながら、今回、当社における対象者の確認が不十分であり、当該元株主の口座への売却規制登録の手続きを遺漏しておりました。また、売却前に当該元株主よりロックアップの対象であるかについて問い合わせがあったものの、誤って当該規制の対象ではない旨の回答を行っており、それが一因となり、当該元株主による株式の売却が行われることになりました。
 
 株式会社坪田ラボ、当該元株主をはじめとする関係者の方々に多大なるご迷惑をおかけしたことを、深くお詫び申し上げます。当社といたしましては、かかる事態を真摯に受け止め、関係者と協議を進めるとともに、実効性ある再発防止策を策定・実行することを通じて、信頼の回復に努めてまいる所存です。以上

SMBC日興証券公式サイト お客様への説明より(2022年7月22日)


 慶応義塾が第三者割当であるか目論見書を読めば誰でもわかります。そして、制度・任意ロックアップについて、IPO愛好家なら知っていることです。
管理人が問題視しているのは、主幹事としてIPOを多く取り扱っているSMBC日興証券が、ミスったことです。上記説明では「当該元株主の口座への売却規制登録の手続きを遺漏」とあります。システム的にに防止する手段がありながらの人為的なミスです。
ミスはこのような人為的なものが多いのですが、ブロックオファーで問題を起こしたばかりのSMBC日興証券です。

IPOの主幹事として、何をしているのですか!!
・・・ と、腹が立ちます。
慶応義塾にロックアップ対象外と回答したSMBC日興証券の社員は、始末書ですかね。f(^^;)

それで、慶応義塾はいくら儲けたのか?

 やっちまったことはしかたがありませんが、管理人は保有株を売却した慶応義塾がいくら儲けたのか興味がありましたので調べてみたら、たいへん面白いことがわかりました。(^^)

慶応義塾は、上場初日に保有株(16,000株)すべてを売却していました。

慶応義塾の売値・売却株数・売却益

売値 発行額 差額 売却株数 利益
794円 250円 544円 8,000株 4,352,000円
744円 494円 100株 49,400円
743円 493円 100株 49,300円
742円 492円 600株 295,200円
741円 491円 500株 245,500円
740円 490円 4,900株 2,401,000円
739円 489円 1,700株 831,300円
738円 488円 100株 48,800円
16,000株 8,272,500円

坪田ラボ(4890)上場初日(6月23日)の四本値・出来高

初値 高値 安値 終値 出来高(終日)
794円 849円 661円 849円 17,621,400

※高値・終値の849円は、ストップ高


坪田ラボ 上場初日のチャート


 慶応義塾の売却株価は、最も高くて794円。これ初値です。残りの売却株価は、初値未満。チャートを見る限り、所有株の半分(8,000株)を初値売りし、初値後の下落で残り(8,000株)を売却したようにも見えます
IPOは初値売り(半分)、下落して750円を切ったら狼狽売り? ・・・ ですか!! セカンダリーって難しいですね。う~ん f(^^;)

上場初日の終値は、ストップ高。昨日(7月22日)の終値は、1,210円。上場初日に初値売りすれば、8,704,000円。終値で売却すれば、9,584,000円。昨日終値で売却すれば、15,360,000円の売却益でした。
不謹慎であることを承知の上で言わせていただくと、どうせ売却するのならもっとうまく売り逃げていただきたかったものです。f(^^;) ※売却益は、税金・手数料を考慮していません。

 最後に ・・・
ロックアップ違反を巡っては、昨年2021年にバイオベンチャーのモダリス(4883)で、有名個人投資家の片山晃氏がロックアップ期間内に売却して問題になりましたが、売却株数は60万株(約18億円)。
慶応義塾の売却株数は、1.6万株。同日の出来高が17,621,400株でしたので、影響はなかったようですね。


では、また(^^)/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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