【№1474】
VCの初値売りを、見分けることができるのですか?
厳密にはできんが、データからはそう見えてくるのじゃ!!
大手予想会社の直前初値予想(3,000円)が、的中!!
昨日(7/28)、”HOUSEI”・”unerry”が、東証グロース市場に新規上場し、公開価格を上回る初値を付けました。ご当選された読者様、おめでとうございます。
特に、”unerry”の大手予想会社の直前初値予想(3,000円)は、上場初日のほぼ上限価格でしたので、管理人は「大胆な予想だが、いくらなんでもそこまでは ・・・」でしたが、なんと、ズバリ的中です。
いやいや驚きました。”unerry”にご当選された読者様は、公開株数から考えて少ないとは思いますが、最高の初値売りができたのではないでしょうか。(^^)
“unerry”の初値売却率が高すぎる!!
“unerry” 初値売却率
公開株数 | 出来高(初値) | 初値売却率 |
537,700 株 | 484,200 株 | 90.1 % |
当ブログでは、「初値形成時の出来高 ÷ 公開株数 = 初値売却率」に便宜上していますが、厳密にはこのような計算式はありません。
“unerry”の初値売却率は90%もありますが、これは想定以上に初値が高騰したため、公募でゲットされた個人投資家が売却してきたのかな? ・・・ とも思えます。
しかし、2022年度IPOでは、異様に”unerry”の初値売却率が高いのです。
2022年上場41社の初値売却率(2分割)
初値売却率 | 0% ~ 50% | 51% ~ 100% |
社数 | 20社(48.8%) | 21社(51.2%) |
もう少し詳細にすると ・・・
逆にわかりににくなってしまったかも?
要は、81%~90%はゼロで、91%~100%は”unerry”の1社だけということです。
“unerry”と同じようなIPOと比較してみたら?
初値売却率 ベスト5
順位 | 銘柄 | 市場 | 公開株数 | 初値出来高 | 初値売却率 |
1 | unerry | グロース | 537,700 株 | 484,200 株 | 90.1 % |
2 | ペットゴー | グロース | 724,500 株 | 545,100 株 | 75.2 % |
3 | 坪田ラボ | グロース | 4,416,000 株 | 3,227,300 株 | 73.1 % |
4 | TORICO | グロース | 172,500 株 | 125,900 株 | 73.0 % |
5 | BeeX | グロース | 362,200 株 | 263,100 株 | 72.6 % |
上記のうちで、”ペットゴー”と”BeeX”は、”unerry”とよく似た初値形成なのです。
初値倍率
公募 | 初値 | 初値売却益 | 上昇率 | 初値倍率 | |
unerry | 1,290 円 | 3,000 円 | 171,000 円 | 132.6% | 2.33 倍 |
ペットゴー | 550 円 | 1,295 円 | 74,500 円 | 135.5% | 2.35 倍 |
BeeX | 1,600 円 | 3,750 円 | 215,000 円 | 134.4% | 2.34 倍 |
意外と面白い共通点ですね。3社とも上場初日に初値が付きましたが、上限ギリギリです。
上場初日に売却可能な株数
新規株主 | 既存株主 | |||
公開株数 | ロックアップなし | 1.5倍解除(VC) | ストックオプション | |
unerry | 537,700 株 | - 株 | 431,600 株(4) | 173,200 株 |
ペットゴー | 724,500 株 | 45,000 株 | 301,200 株(6) | 305,400 株 |
BeeX | 362,200 株 | – 株 | – 株(0) | 202,200 株 |
分析・解析
今回の”unerry”の断トツに高い初値売却率を見て、「もしかしたらVCの初値売りがあったのでは?」と思い、それが今回の分析のきっかけになりました。
株式の出来高(初値時・終日・株価単位)は分かりますが、誰がどれだけ売り買いしたのかは分かりません。従って、VCが初値売りをしたかも、正確には断定できません。
では、内容・状況が近いIPOと比べたら、何かわかるのではないか? ・・・ ですね。f(^^;)
いろいろとデータを比べてみると、VCが初値売りをしたように見えます。
・公開株数は違えども、初値売却率は高くて70%台。
“BeeX”は、VCもなく、1.5倍ロックアップ解除株もなし。つまり、初値売りは基本、公募でケットされた方の売却。※ストックオプションは考慮せず
ならば、”unerry”も、公募でケットされた方の売却率も70%。画像はありませんが、寄り付く寸前の売り(成行)の株数は、30万株台(初値出来高484,200株の70%)。差分は、1.5倍ロックアップ解除株からの売却ではないだろうか?(VCが初値売りを実施)
・”ペットゴー”の1.5倍ロックアップ解除株は、約30万株もあるが ・・・ ?
株価が低かったので、初値売りの対象にならなかったのでは? “unerry”・”BeeX”同様に、公募(1,000円台)で、初値が公募の2.3倍になったならば、初値売りをしていたのでは? 勝手な想像ですが、VCにも回収計画があり、回収期限までにより多くのリターンを得るように動くのではないでしょうか。f(^^;)
管理人の独り言
昨日、”unerry”の初値が付くまでの過程を、フル板(全板)で見ていました。
フル板イメージ
売り(株数) | 値段 | 買い(株数) | ||
① | xxx株 | 成行 | xxx株 | ⑤ |
② | xxx株 | 3,001円以上 | xxx株 | ⑥ |
③ | xxx株 | 3,000円 | xxx株 | ⑦ |
④ | xxx株 | 2,999円以下 | xxx株 | ⑧ |
※かなり圧縮したフル板イメージです。本来なら、3,001円以上と2,999円以下の行が無数にあります。
一般的に、初値売りを確実に行うのであれば、初値が付く前に、売り(成行)の注文をすると思います。結果、上記の①に注文株数が表示(加算)されます。
今回、”unerry”の初値が付くまでをウオッチしている最中に、④に興味深い売り注文(指値)を見ました。指値価格は、1,935円。つまり、公募(1,290円)の1.5倍でロックアップが解除される金額です。株数は7万株? ただし、株数は時間と共に刻々とかわります。誰からの注文なのか分かりませんが、もしかしてVCからの初値売りの注文? ・・・ なんて考えてしまいました。個人投資家で、ロックアップ解除の価格で売り注文を出す方がいるんでしょうか?
記録として画像を取っておけば良かったのですが、当初からこのような記事を書く予定はなかったのですから、それは無理というものです。画像があれば、VC初値売りの根拠となったかもしれませんね。
管理人は、VCが初値売りをした可能性が高いと思っています。しかし、VCからの初値売りがあったにもかかわらず、公募価格の2.33倍の初値になるとは、初値買い需要がかなり大きかったということのようです。f(^^;)
本日上場したエアークローゼット(9557)も、大手予想会社の微妙な直前初値予想でしたが、公募割れせず無事に着地。開始8分で、ストップ高。そして、そのまま大引け。IPOが上向きになってきたのなら嬉しいですね。(^^)
では、また(^^)/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2つのブログランキングに登録しています。
記事が面白かったら、応援の意味で下記の
「バナー」をクリックしてくださいね。(^^)