本日、ステムセル研究所が上場中止(承認取消)となりました。あらら、これで8社目。
現状の再確認
先週の上場は、”関通”が健闘しましたが、残りは全滅(公募割れ)。勝率は更にダウン。
”IPOに当選したら儲かる”。公募価格で購入できたら初値売りで利益が出る。半ばIPOの常識。
”落選が当たり前”、これもIPOの常識ですね。それでも申し込み続けることができるのは、どれだけ当選の可能性が低くとも、損失が出にくい(公募割れしにくい)というベースがあったからにほかなりません。
しかし、この根底が崩壊してしまいました。当選が損失となるIPOを、誰が好き好んで申し込むのでしょうか。
2020年 IPO実績(3月19日上場まで)
期間 | 上場数 | 勝敗 | 勝率 |
2月 | 3社 | 3勝0敗0引分 | 100% |
3月 | 10社 | 3勝13敗1引分 | 17.6% |
計 | 13社 | 6勝13敗1引分 | 30.0% |
なぜIPOが公募割れするのか。個人的意見としては、決定した公募価格が現状の相場では高い。というより、”公募価格に割安感がない”と考えています。
公募価格決定のプロセス(想定価格→仮条件→公募価格決定)から見て、最初の想定価格がポイントになります。ルールというのか、当初設定した想定価格を状況で見直す。または、想定価格とかけ離れた仮条件(倍or半分)にするというのは、できないようです。やったら、主幹事会社自ら能力がないこと(想定価格はでたらめ)を認めることにもなりかねませんし・・・(^^;)
関通は公募の110.6%と高騰しましたが、それ以前に想定価格がかなり安価でしたね。
公募割れIPOと大手予想会社上場直前予想(関通はオマケ)
上場日 | 銘柄 | 想定 | 仮条件 | 公募 | 予想 | 初値 | 予想精度 |
3/19 | 関通 | 470 | 470-490 | 490 | 600 | 1,032 | × |
3/19 | ゼネティック | 1,700 | 1,600-1,700 | 1,700 | 1,630 | 1,620 | △ |
3/19 | 日本インシュレーション | 920 | 920-940 | 940 | 869 | 869 | ○ |
3/17 | ミアヘルサ | 2,330 | 2,030-2,330 | 2,330 | 2,143 | 1,748 | × |
3/17 | リビングプラットフォーム | 3,340 | 3,530-3,900 | 3,900 | 3,590 | 3,550 | △ |
3/17 | ドラフト | 1,520 | 1,520-1,580 | 1,580 | 1,453 | 1,221 | × |
3/16 | ミクリード | 890 | 790-890 | 890 | 818 | 818 | ○ |
3/13 | フォースタートアップス | 1,520 | 1,700-1,770 | 1,770 | 2,100 | 1,628 | × |
3/13 | 木村工機 | 2,340 | 2,300-2,400 | 2,400 | 2,500 | 2,050 | × |
3/13 | リグア | 1,850 | 1,850-1,950 | 1,950 | 2,650 | 1,910 | × |
3/10 | ビザスク | 2,100 | 1,300-1,500 | 1,500 | 1,387 | 1,310 | × |
3/9 | フォーラムエンジニアリング | 1,310 | 1,310-1,400 | 1,310 | 1,231 | 1,030 | × |
3/6 | ウイルテック | 1,280 | 1,100-1,200 | 1,200 | 1,200 | 1,200 | ○ |
3/6 | きずなホールディングス | 2,200 | 2,200-2,320 | 2,320 | 2,320 | 2,220 | × |
3/2 | カーブスホールディングス | 720 | 720-750 | 750 | 850 | 670 | × |
何と言ったらよいのか。大手予想会社の上場直前予想すら、まったく当てになりません。影響が大きすぎて、大きく下げられないという事情もあるかもしれません。それ以前に、公募割れを的中してもらっても・・・ムムム(^^;)
どんなスタンスで、どこに申し込む?
頼るのは自らの分析になるわけですが、そもそもそんな初値予想の技術があるわけでもなく、また現在の市況ですから、地合いの影響も大きく、まったく想定もできません。前述の通り、この市況では「割安感のない公募価格を付けたIPOは初値を大きく割り込む」と思っています。
となると、仮条件決定でリスクが予想でき、悲しいことに申し込むIPOがありません。今後の申込予定は、リスクを感じながらも業績の良い”コマースOneホールディングス”。事業の将来性が期待される”サイバートラスト”の2社だけです。
BBスタンスも、先週からリスクを感じるIPOは「ペナルティのない主幹事に申し込んで、当選したら考える」から「当選しても辞退するからから申し込まない。SBI証券へ100株申込でOK」になっています。あらら・・・IPOブロガーもかたなしですよ(^^;)
IPOの回復時期は?
さて、この市況はいつ回復する? 主要国は経済帯対策を大幅に積み増すようですが、私は新型コロナウイルスが、とりあえず落ち着かない限り無理と思っています。また、本日の日本経済新聞には、景気の山はいつか?の調査に、「”国内景気はすでに後退”が9割回答」。 民間エコノミスト33人の回答とのこと。いやいや、困りましたね!(^^;)
IPOにいたっては、上場申請済の企業(承認待ち状態)はともかく、これから申請を予定した企業は、上場時期を再考せざるを得なくなります。実際に、承認されても上場取り止めする企業続出ですからね。IPO投資家は、公募価格が安価に決まれば、公募割れリスクも下がり参加しやすくなりますが、新規上場する企業側は、本来の企業価値を下げてまで上場する理由がなくなります。上場には資金調達という目的もありますが、必要額が調達できなければ、上場を含めた経営計画も見直さざるを得ません。
このように考えていくと、リーマンショック同様にIPOの新規上場承認数は減るでしょうね~。
例年でいくと5月は例年少ない(1件もない年もあった)ので、6月以降の承認数が激減かな~。 希望的観測は、秋口から回復なんですが、まったく先は予想できないのが、本当のところです。
しかし、目の前にあるのは、公募割れリスクだらけで申し込めるIPOがないということ。つまりチャンスが失われているような気がするだけです。そもそも、IPOは当選しません。例年とかわらない状況であっても、おそらくそんなに大差はない・・・やっぱり落選~! あらら・・・(^^;)
ならば、こういう時ほど前向きに考えましょう。”充電期間としての暫しの休み” それとも、密かに”スーツの下で牙を研ぐ期間”ですか? いつかは回復します。気楽に行きましょう!
では、IPOブロガーのProf.新城は何をするか! じっくり分析でも・・・データ集めから?(^^;)
では、また・・・(^^)/~~
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