【分析】「松井・マネ・楽天・3社セット」が、とんでもないことになっていた!!

【№1490】

<strong>冒険者</strong>
冒険者

「松井・マネ・楽天・3社セット」とは何ですか?

<strong>大賢者</strong>
大賢者

「松井証券・マネックス証券・楽天証券」が、同時に平幹事になることじゃ!!

はじめに

 IPOは、8月の閑散期です。言わば、IPOブロガー・読者様にとって「夏休み」のようなもの。管理人もゆっくりしたいところですが、時間に余裕があるということは、じっくりと分析ができるというものです。

 さて、新規上場承認された”ジャパニアス”もそうですが、最近「松井証券・マネックス証券・楽天証券が揃って平幹事になることが多い」ような気がしましたので、3社のIPO取扱数・取扱比率・伸長率を調べたら、たいへん面白い結果が出ました。(^^)

松井証券のIPO取扱比率・伸長率が、意外にすごい!!

各証券会社のIPO【平幹事】取扱社数

年度 松井証券 マネックス証券 楽天証券 3社同時
2022年 23社 28社 30社 13社
2021年 48社 50社 71社 17社
2020年 15社 45社 36社 7社
2019年 12社 45社 23社 2社
2018年 5社 40社 5社 0社
2017年 8社 43社 0社 0社

※マネックス証券の主幹事IPOは、上記に含みます。
※2022年は、8/5上場のクラシコムまでを対象。


 上記グラフは、各社のIPO取扱社数を年度上場社数で割った取扱比率(カバー率)なのですが、松井証券・楽天証券の伸長がものすごいですね。マネックス証券に追いつき追い越せとばかりに、伸びています。

松井証券の決算報告資料には、次のことが書かれています。
・【2022年3月期】 IPO引受参入率 21年度目標40%超を達成 22年度は50%を目指す
・【2021年3月期】 IPO引受参入率 40%超を目指す
・【2020年3月期】 IPOに関して記載なし

楽天証券の取扱社数が伸びていることはわかっていましたが、グラフ化すると松井証券のIPOへの注力の様子が見て取れます。f(^^;)

えっ!! これ3社セットなのですか!!


 松井・マネックス・楽天の3社同時取扱(比率)を、グラフ化してみました。2022年はまだ途中(8/5上場のクラシコムまで)とはいえ、30%もあります。これは、松井証券・マネックス証券・楽天証券がセットで10社に3社も平幹事に出てくるということです。
抽選配分率が100%あるこの3社は、割当株数次第ですが他の証券会社より抽選枠が多くなりがちです。「これだけ3社セットがあれば、申し込めば平幹事と言えども、どこかに当選するのではないのか!!」と思えてきますね。f(^^;)

どれだけの抽選枠があるのか?

3社同時取扱 各社抽選枠実績

  主幹事
抽選枠相当
松井証券
抽選枠実績
マネックス証券
抽選枠実績
楽天証券
抽選枠実績
楽天倍率
CaSy 153本 20本(13.1%) 20本(13.1%) 20本(13.1%) 1131倍
イメージ・マジック 282本 37本(13.1%) 76本(26.9%) 37本(13.1%) 473倍
TORICO 97本 12本(12.3%) 12本(12.3%) 12本(12.3%) 1812倍
メンタルヘルス 877本 56本(6.4%) 76本(26.9%) 56本(6.4%) 427倍
クリアル 713本 92本(12.9%) 92本(12.9%) 138本(19.4%) 226倍
トリプルアイズ 362本 61本(16.9%) 62本(17.2%) 62本(17.2%) 502倍


上記は、2022年度3社セット(同時取扱)があった13社のうち、抽選枠(当選本数)の実績が判明している6社を抽出。
主幹事の抽選枠(相当)とは、総配分数(実績)のうち、便宜上10%が抽選に回るとして算出。主幹事にSBI証券があり、ここは抽選配分率が一定でないため。

3社セットの当選確率は?

 各証券会社の( )内の比率は、主幹事の抽選枠(相当)を100とした場合の比率です。残念ながら、いくら抽選配分率が100%の証券会社と言えども、主幹事の抽選枠と比べたら概ね10%~20%の抽選枠しかありません。

主幹事および3社の当選確率は、楽天証券を除いて不明です。しかし、これだけ抽選枠に差があるのですから、3社の当選確率は主幹事の当選確率より悪い(低い)ことは容易に察せられます。f(^^;)
参考までに、楽天倍率を記載しましたが、同様に当選できそうもない倍率となっています。

管理人の独り言

 今回、「松井・マネ・楽天・3社セット」が頻発していることがわかりました。これは「IPO投資に光明が差したのでは!!」と思い当選確率を分析してみましたが、ガックリ!! (*_*)
新規上場承認され、100%平等抽選(抽選配分率100%)の証券会社が幹事にあると「オッ!!」と思いますが、実際はチャンスとは言い難いということです。・・・ ムムム f(^^;)

「取扱社数の増加は、当選チャンスの増加」と言えないこともないのですが、期待できるほどの当選確率ではないので、申し込み続けてもいつ当選できるのやら ・・・ 。本当に、IPO投資は運次第という不確実性100%の投資ですね。(>_<)


では、また(^^)/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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