【分析】倍率1倍のIPOの裏側で、何が起こっているのか? けっこうエグいです!!

【№1503】

<strong>冒険者</strong>
冒険者

えー!! 倍率1倍のIPOってあるのですか?

<strong>大賢者</strong>
大賢者

つまり、全プレIPOのことじゃが、その裏側はある意味「エグい」のじゃ!!

倍率1倍IPOの裏側で、何が起きているのか?

 倍率1倍のIPOとは、当選確率100%のIPOことです。つまり、申し込んだら100%当選する全プレのIPOのこと。IPOが全プレだったかは後でわかるのですが、分析してみるとこの倍率1倍IPOの裏側では、けっこうエグいことが起きています。f(^^;)

倍率1倍のIPOに申し込んだら、本当に100%当選するのか? ・・・ というか、「そもそも倍率1倍ってどういうこと?」ですよね。単純に考えると、「証券会社が用意した抽選枠に対して応募が少なかった場合は、申し込んだ全員が当選する」ことになります。申込に誤りでもない限り、落選するはとは思えません。f(^^;)

倍率1倍のIPOなんて ・・・ 。それが、けっこうあるのです!! 2022年のIPO 2銘柄で解説します。

守谷輸送機工業(6226)
(3月17日 東証2部上場)

公募 初値 騰落率
810円 820円 +1.2%

配分実績
(日本証券業協会データより)

  総配分 抽選枠 配分率 店頭枠 配分率
日興(主幹事) 25,123本 1,197本 4.8% 23,926本 95.2%
三菱(平幹事) 700本 283本 40.4% 417本 59.6%

※その他幹事の配分率は問題ないため、記載せず

ノバック(5079)
(3月17日 東証2部上場)

公募 初値 騰落率
3,000円 2,630円 ▲12.3%

配分実績
(日本証券業協会データより)

  総配分 抽選枠 配分率 店頭枠 配分率
東海東京(主幹事) 5,908本 330本 5.6% 5,578本 94.4%
岩井コスモ(平幹事) 89本 81本 91.0% 8本 9.0%

※その他幹事の配分率は問題ないため、記載せず

分析・解析

ー 主幹事の配分率について -

 守谷輸送機工業・ノバックともに、主幹事の抽選枠配分率は、10%以下になっています。単純な話、抽選の申込数が予定された配分枠(総配分の10%)より少なかったのですから、倍率は1倍です。確かに、公募割れリスクの高そうなIPOでしたので、回避された方が多かったのでしょう。
申し込んだら100%当選でしたが、当選したらかといって喜べなかったIPOでした。初値は酷い結果になってしまいました。(>_<)

 さて、証券会社でのIPO取扱業務は、基本儲かるようにできています。IPOする会社から公開価格より安い引受価格でIPO株を購入し、当選者(購入希望者)へ公開価格で販売するわけですから ・・・ 。
赤字を出さない ・・・ というか、最大限の利益を上げるには、証券会社は引受株をすべて投資家に売却しなくてはいけません。とにかく、売り残してはダメ。

店頭配分率は90%以上になっているので、予定された配分枠(総配分の10%)と申込者の差は、店頭のお客様に振り向けられたわけです。言い換えれば、酷い初値になりましたので、クソIPOを店頭のお客様に押し付けたようなものです。あくまで、結果論ですが ・・・ 。f(^^;)
店頭のお客様だってバカではありません。しかし、SMBC日興証券・東海東京証券は、かなりプレミアを付けて販売しています。守谷輸送機工業は、1人あたり平均1,000株ノバックは、1人あたり平均650株。う~ん「エグい」ですね!! (>_<)

ー 平幹事の配分率について -

 守谷輸送機工業・ノバックの平幹事を担った三菱UFJモルガン・スタンレー証券、および岩井コスモ証券の抽選配分率は、尋常ではありません。規定では抽選配分率は10%以上であれば問題ではないのですが、40.4%・90.0%は驚異的です。注)三菱・岩井コスモ以外の平幹事は、いつも通りでした。

普通、何かの間違いと考えるべきですが、ここは日本証券業協会のデータを信用しましょう。なお、間違いの場合は、訂正版が数か月後に出ます。

 何が起こったのかを想像してみます。
公募割れリスクの高そうなIPOですから、全体に申込が少ない。特に、三菱と岩井コスモでは、店頭からの申込が極端に少なかったと想定します。
前述の通り、証券会社は売り切らないといけないので、店頭顧客にプレミアを付けてセールスをするでしょう。ちなみに、守谷輸送機工業(三菱)は、1人あたり平均630株ノバック(岩井コスモ)は、平均130株と、こちらはプレミア感はありませんね。f(^^;)

三菱・岩井コスモともに抽選に参加されたお客様が多い。申込数は、予定された配分枠(総配分の10%)より多かった。三菱にはペナルティがあり、岩井コスモは後期型なので当選者は購入せざるを得なく逃げられません。
これ以上、店頭のお客様にIPOを販売できないとすると、今度は逆に抽選参加のお客様に押し込んだ。つまり、通常以上の当選を乱発し購入させとうとした!! ・・・ かも? う~ん「エグい」ですね。(>_<)

管理人の独り言

 以上は、あくまで素人である管理人の分析・解析した結果から導かれたものですので、正しいかどうなんてわかりません。ただ、データは嘘はつきませんので、あとは解釈です。管理人は「エグいことをしているな!!」と、感じたわけです。f(^^;)

証券会社の名誉のために言えば、証券会社は規則を破っているわけではありません。彼らは、利益を追求しているだけで、「絶対に(株価は)上がります!!」などと言って購入させているわけではありません。とにかく購入の最終判断をしたのは、投資家自身なのです。ちなみに、「絶対に(株価は)上がります!!」と言ったら、アウトです。もはや、証券マンではありません。

 管理人自身、今回分析してみて感じたのは、「公募割れリスクが高いIPOの申込は、主幹事だけでなく、平幹事といえども逃げられない(ペナルティあり・後期型)証券会社には、細心の注意を払うべき」ということです。「IPO投資も、自己責任」であることを忘れずに!! f(^^;)


では、また(^^)/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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