【分析】IPO攻略法 楽天証券は2口(200株)以上で申し込むべし!!

【№1939】

<strong>冒険者</strong>
冒険者

なんかすごい分析ですが、本当ですか?

<strong>大賢者</strong>
大賢者

どんな分析か読みたくなるじゃろ。

はじめに

 日本証券業協会が公開しているIPOデータといえば、『新規公開に際して行う株券の個人顧客への配分状況』です。これは、個人投資家(IPO投資家)へどのようにIPOの抽選配分・裁量配分が行われたかを公開している統計データです。読者様の中には、毎月チェックされている方もいらっしゃることでしょう。

今回は、昨年4月21日にプライム市場へ上場した “楽天銀行(5838)” の『新規公開に際して行う株券の個人顧客への配分状況』のデータ分析を基に今後の楽天証券攻略法を考えてみたいと思います。

 随分前のIPOの分析になります。まぁ、8ヶ月もブログを休まなければもっと早く分析ができたかもしれませんが、休んでいるうちにデータ(楽天銀行以降のIPOデータ)も集まり、より明確な根拠のある分析がができたということで良しとしましょう。(^^)

“楽天銀行”の抽選配分・当選者数は?

“楽天銀行” 楽天証券の抽選配分・当選者数

配分総株数 当選人数 1人当たり平均当選株数 抽選割合
5,117,100 株 11,804 人 約433 株 100 %

 抽選割合100%は裁量配分はなかったということですが、なんですかこの1人当たりの平均当選株数433株って!! IPOの当選は100株単位なので、約433株は400株と考えてください。

以前、読者の『かぶ○○○様』から『5口も申し込んで全滅とは、これいかに!!』というメールをいただき『楽天銀行倍率の怪』という記事をアップしました。倍率6倍でも確率的には全滅するのですが、あらためて、『倍率6倍でも落選するのに、平均400株当選とは、これいかに!!』ですよね。f(^^;)

平均は統計マジック?

 1人当たりの平均当選が400株だったことには驚かせられますが、これを分析するとどうなるのか? この平均当選株数は、統計マジックであることがよくわかります。

“楽天銀行” 楽天証券の当落分布

落選 当選
100株
当選
200~5,000株
当選
5,100~10,000株
当選
10,100~50,000株
当選
50,100株以上
295,222人 8,115人 3,557人 53人 68人 11人
96.16% 2.64% 1.16% 0.02% 0.02% 0.004%

 100株当選は2.64%しかありません。ということは、その他の当選(200~50,100株以上) = たったの1.16%+0.024%が平均当選株数を400株に引き上げているわけです。中央値で見ると半数以上が100株当選です。平均がいかに統計マジックであるかご理解いただけたかと思います。

それにしても管理人は100株当選しましたが、落選率(96.16%)から考えると運が良かっただけなのですね。f(^^;)

問題は、複数株当選!!

 96%の方が落選したという現実を見て、『倍率6倍といえどもIPOの当選は難しい』と思われましたか? いやいや、注目点はそこではありません。問題は、複数株当選です。

あらためて、楽天証券のIPO抽選ルールを確認してみましょう。

(1)新規公開株の場合
 新規公開株の個人のお客様(機関投資家以外の個人のお客様を含みます。以下同じ)への配分は配分の機会を公平に提供するため、原則として抽選により配分先を決定します。新規公開株の抽選は、以下の要領で行います。
①抽選は、ブックビルディング期間中に当該ブックビルディングに需要申告をなさり、かつ購入申込期間に購入のお申込みをなさった個人のお客様からのものを対象に、購入申込期間の最終日の夕刻に当社が行います。なお、できるだけ多くのお客様に配分が行われるよう、銘柄ことに一人のお客様からの抽選の申込数量に上限を設定します。
②抽選に当たっては、購入のお申込みをなさった株数に応じて抽選番号(乱数)を付し、その番号を対象に抽選を行います。

楽天証券「募集等に係る顧客への配分に係る基本方針」より抜粋

 要は、銘柄ごとに申込数量の上限はありますが、1口(100株)申込より2口(200株)以上の申込の方が当選確率が上がるということなのですが、この攻略法は使えませんでした。なぜなら ・・・ 。

楽証券の申込上限は、どうなっているのか?

 管理人の記憶では、『申込上限は1口(100株)』ままで固定されていたはずでは … ? しかし、楽天銀行の配分実績から見る限り、申込上限は501口(50,100株)以上あったことになります。それにしても、50,100株以上当選された11人の方は、公開価格が1,400円でしたので、最低70,140,000円以上の買付余力があったということです。まるでSBI証券のお金持ち優遇ルールのようですが、SBI証券(主幹事)の申込上限できる方の買付余力は○億円ですので、まだかわいいといえるかもしれません。

それでも、プライム市場へ上場した楽天証券の規模から考えると、初値は微妙でした。仮に管理人に約7,000万円以上の買付余力があったとして、申し込めたかと問われれば? … う~ん f(^^;) 公募割れリスクを取ってまで申し込めなかったですね。初値は1,856円でしたので、すべて初値で売却した場合の利益は22,845,600円(税引前・手数料含まず)。… ですが、これは結果論。IPOはリスクが低い投資といわれますが、楽天銀行は公募割れリスクを取った方が大儲けできたIPOだったわけです。タラレバですが、申し込んでいれば … ですよね。f(^^;)

 さて、楽天銀行以降のIPOを調べてみたところ、複数株当選が出たIPOが5社もありました。※2023年11月以降のIPOは、まだデータが公開されていません。

“楽天証券” 複数株申込&複数株当選のIPO(2023年度)

上場日 銘柄 配分総株数 100株当選 200株以上当選 申込上限
9/20 インテグラル(5842) 19,500株 193人 1人(200株) 600株
9/26 ネットスターズ(5590) 25,900株 239人 9人(200株以上) 2,000株
9/27 オカムラ食品工業(2938) 9,600株 94人 1人(200株) 600株
9/27 AVILEN(5591) 13,100株 129人 1人(200株) 1,000株
10/25 全保連(5845) 23,700株 222人 7人(200株以上) 2,000株

 意外と、配分総株数が少なくても複数株の申込が可能で、実際に複数株当選が出ています。

読者様へお願い

 以上から、IPO攻略法として『複数株申込が可能ならば、楽天証券のIPOは2口(200株)以上申し込んだ方が当選確率が高い』ということになります。しかし、これはまだ仮説段階です。分析は検証してなんぼのもの。今後、管理人も複数株申し込んで検証してみるつもりですが、1人が試してみても根拠のあるデータにはなりません。分析(検証)には、多くのデータ(サンプル)が必要なのです。

 今回の分析記事を読んで『これは面白い分析だ。IPO資金がさらに必要になるが、是非とも複数株申込で当選するか試してみたい。』と思っていただけた読者様もいらっしゃるかと思います。

試してみて当選されたら、是非ともご一報いただけないでしょうか。当選したタイミングでもOKですし、2024年のIPOが終了した後でもOKです。ポイントは、1口(100株)申込より当選確率が上がっていることを、読者様が感じられたかどうかです。なにとぞ、当選報告(感想付き)をよろしくお願い申し上げます。<(_ _)>

管理人の独り言

 前回の「KANさんの『愛は勝つ』はIPO投資ソング?」は、オチャラケ記事でしたが、今回は久しぶりに真面目な(有意義な)分析記事が書けました。前回も今回も、管理人はいたって真面目にやっているのですが … 。f(^^;)

今回の『IPO攻略法』ですが、『なぜIPOの当選確率を上げる方法を公開するのか?』。『読者が試せば管理人の当選確率が下がるから黙っている方が良いのでは?』と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

今回の分析記事は、『IPO閑散期にもかかわらず、当ブログを読んでいただいている読者様へのお年玉』なのです。やはり、コアな読者様は大切にしないといけません。
注)読者様が既にこの攻略法に気づいていたら … 。まぁ、その時はその時です。f(^^;)

なんて本当は … 。残念なことに、当ブログの読者数は多くありません。結果、読者様が全員試されても大勢に影響はない(管理人の当選確率が激減することはない)ということですよー。。1万人も読者がいれば、記事にしなかったかもしれません。ありゃりゃな本音 … ですね。f(^^;)


では、また(^^)/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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