【分析】公募割れIPOの”初値売却率”は?

【№1418】

<strong>冒険者</strong>
冒険者

IPOは初値売りが基本なので、それなりでは?

<strong>大賢者</strong>
大賢者

そう思うじゃろ!!

ヤマウチ・ユニハイムエステート(2084)の”直前予想”と”初値”

 大手予想会社(2社)の直前初値予想は、1社が900円、もう1社が950円(公募)。IPOブロガーさんの多くは、公募割れと予想。

お先真っ暗で、上場初日を迎えた”ヤマイチ・ユニハイムエステート”(2084)。初値は、予想を上回る公募割れ(900円未満)という残念な結果に終わりました。

しかし、終わってみれば「公募割れなど可愛いもの」と思えてきます。地合い悪化もありますが、もうボロボロ。終値は、公募の▲17%という見るも無残な状況です。今週上場の残り4社は、大丈夫でしょうか。(>_<)

ヤマイチ・ユニハイムエステート 上場初日の四本値

初値 高値 安値 終値 出来高
878 円 903 円 782 円 788 円 1,044,200 株
▲7.6% ▲4.9% ▲17.7% ▲17.1% ⇦ 公募比

公募割れIPOの初値売却率は?

 今年度、初値が公募割れしたのは、今回の”ヤマイチ・ユニハイムエステート”を含めて7社目。公募割れしたIPOの初値売りに、何か特徴があるのか見てみましょう。

上場日 銘柄 市場 公開株数 初値出来高 初値売却率
6/20 ヤマイチ・ユニハイムエステート スタンダード 2,185,000株 289,200株 13.2%
4/23 ASNOVA 名証ネクスト 255,300株 35,100株 13.7%
3/31 ノバック 東証2部 920,000株 46,100株 5.0%
3/11 セレコーポレーション 東証2部 563,700株 96,600株 17.1%
3/1 ビーウェズ 東証1部 6,095,000株 450,100株 7.4%
2/4 セイファート JASDAQ 857,400株 276,300株 32.2%
2/3 Recovery Inernational マザーズ 629,600株 206,300株 32.8%

※当ブログでは、便宜上 公開株数÷初値出来高を初値売却率としています。


IPOの投資術として「公募当選したIPOは、(基本的に)初値売り」と言われます。実際に実践されている読者様も多いと思います。この「IPOの初値売り」は、「年間に上場するIPOの80%以上が初値>公募になる。IPOは初値後に乱高下する特徴があるが、相対的に株価は下落するので初値で売却するのが良い」という考え方です。
では、実際に?%の方が、初値売りをされているのでしょうか?

以前の記事「分析・IPOの初値売りは、本当にベストなのか?」で、「初値売りのアンケート」を取ってみました。
初値売りをする【47%】IPOによるが、どちらかといえば、初値売りが多い【33%】。有効回答は43名と少ないものでしたが、傾向がわかるので十分な結果です。

ここから考えると、最低50%の方は初値売りをされるはずなのですが、上記を見る限り公募割れしたIPOは、初値売りされないという傾向があるように思えます。f(^^;)

ー アンケート詳細は、下記をクリックしてみてください。 -

IPOの初値売りは、本当にベストなのか?

 「公募当選したIPOは、初値売り」と言いながら、公募割れしたら初値売りをしない状況に矛盾を感じます。
とは言え、IPO愛好家の心理から考えてみると、「公募割れの初値売りは、損切りです。誰だって損失は避けたい」。ゆえに、初値売却率は低くなる?のかもしれません。

個人的な希望的観測なのですが、公募割れした場合「公募まで(株価が)上がらないか(戻らないか)?」と、ついつい考えてしまいます。

しかし、初値が公募割れしても、その後公募以上になったIPOはけっこうあります。傾向的には、マザーズ・JASDAQより東証1部・2部の方が多いでしょうか。
実際に2022年度も、公募割れしたが公募価格まで戻ったのは、”ビーウイズ”(東証1部)、”セレコーポレーション”(東証2部)。ちなみに、他はぜんぜんダメです。(>_<)

「IPOは初値売り」は、初値>公募の場合だけなのか? 公募割れした場合は、違うのか? いやいや、損切りになっても初値売りをすべきなのか?
それ以前に、公募割れリスクが高いIPOは回避すべきなのか? 特に、今は地合いが悪化しているし!!
実に悩ましいですね。f(^^;)

ところで、”ヤマイチ・ユニハイムエステート”の今後は?

本日、”ヤマイチ・ユニハイムエステート”より、2023年3月期の業績予想が発表されました。

  2021年3月期
実績
2022年3月期
実績
2023年3月期
予想
対前期比
売上高(百万円) 15,024 19,117 19,057 ▲0.6%
営業利益(百万円) 1,891 2,865 2,521 ▲12.0%
経常利益(百万円) 1,515 2,552 2,104 ▲17.6%
当期純利益(百万円) 803 1,602 1,280 ▲20.1%


同社では、2023年度の業績はマイナスと予想しています。「売上高が前期(2022年3月期)とほぼ横ばいである一方で、各利益について前期と比して減少する見込みであるのは、前期の法人向け不動産販売が高収益であったことによる」とのことです。確かに、2021年3月期から大幅アップしています。

今後の株価は、どうなるのでしょうか? 上場ゴールにならなければ、良いのですが ・・・ 。f(^^;)


では、また(^^)/

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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